今日は何さんですか？【川西太一】

頼城さん ページ40

「太一君、来週末空いてませんか」

「どうしたんですか」

「クーポン券をもらったから、ここ行きたいんだけどさ、一緒に行かない？」

「あ、行く行く。日曜？」

「うん、日曜でも土曜でもいいよ」

「じゃあ日曜がいい。土曜白布と会う約束してるからさ」

「おお、白布君！元気？」

「元気……だとは思うけど、職場で変な女に絡まれてて辛いって言ってたからなあ」

「……モテるしねえ、あいつ」



白布とも割と頻繁に会ったり、連絡したりしてるので、まあ高校時代と何か変わったかと言われるとそうでもない。強いて言うなら年齢か？

まあ年齢はね、生きてれば増えてくから。それに伴って周りも少しずつ変化してってんだろう、きっと。



「そういえば先に話持ち出しちゃったけど、太一君の話なんだっけ？今日お邪魔する約束した時言ってたやつ」

「ん？んー……」



その話題に触れられて、思わず口籠る。今日はAさんに話したいことがあって自分の家に呼んだのだ。だから俺から話出さないとなんだけどね、なんとなく決心つかなくて。

第一、この先実はノープラン。なんかデジャブるわ。俺って割とこういう面だと頭より体が先に動く派だから。

っていうか、なんて切り出そう。



「いや、そんな重大な話ではな……いや重大か。うん、ちょっと話したくて」

「……別れ話とかは、聞きたくないんですが」

「別れ話！？違う違う！……うん、俺が悪かった、ごめん。そんな話じゃなくて」




人生何があるかわからないし、何がいつ変わるかなんて尚更わからない話だ。

きっと気付いてないだけで、今も何かかわってるんだろう。

でも、クサイこと言えば

“ 隣にAさん ” というのは、変わらないでいてほしいな、なんて……おっと恥ずかしいぞこれ。




この後ちゃんと言うけどさ、まずこれで伝わったら嬉しいわ。なんか俺らっぽいじゃん。

ずっと前、まだ俺が一方的にしか知らなかった時だけど、Aさん、言ってたから。




「あのさ、Aさん的には “ 川西 ” って、普通の苗字？」

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