私の好き≠彼の好き【孤爪研磨】

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「……君が福永君」



コクっと頷く福永君。



「なんか猫っぽいね、全体的に」



コテンっと首を傾げる福永君。



「猫好き？」



コクっと頷く福永君。



「……っ、可愛い！」

「いやいやいやいや」



盛大に孤爪にツッコミ貰った。なかなかキレのあるツッコミだったね！なんつって。

でも、質問に頷いて答えてくれる福永君が可愛いです。会話が成り立ってるかは疑問……というか会話ですらない気もするが、そこは良しとして。



「ごめん、いや、だって福永君可愛い……」

「……猫嫌いなんじゃないの」

「福永君は猫ではない」

「そうだね……」



私と孤爪がそんな話をしているのを、福永君はキョロっとした大きな猫目で見上げている……可愛い、本当に可愛い。

なんかついでに、可愛い呼び方で呼びたい……



「……福永、招平君だっけ？」



コクっと頷く福永君(しつこい)



「ん〜……じゃあ、しょーちゃん？」



私がそう言うと、不思議そうに首を傾げ、自身の顔を指差す福永君。

私が「君の事だよ」という意味で頷けば納得したように……また頷く。



「……しょーちゃん可愛い」

「ねぇ、Aさっきから、それしか言ってないよ……そっか、福永の下の名前が招平だからか。あんまり印象なかった」

「……」

「え、ごめん」



目で会話する２人も可愛い。

なんか自分で付けておきながら、しょーちゃんって名前が気に入って、しょーちゃんしょーちゃん連呼してたら、孤爪がふと思い出したように笑った。



「しょーちゃんって、翔陽みたい」

「翔陽？誰それ？」

「たまに練習する学校の人。一個下ですごい元気な子だよ」



そんな話をしていたら、しょーちゃんがスッとスマホを見せてくれて。

そこには一枚の写真が表示されていた。

孤爪と、なんかデカイ……見たことある灰色の髪の人と、オレンジ髪のいかにも元気な子。

多分、このオレンジの子が “ 翔陽 ” なんなだろうね……なんていうか



「可愛い」

「Aのツボがわからない」

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