私の好き≠彼の好き【孤爪研磨】

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あっという間に時間は経ち、放課後。

そして今、昼休みにお知らせいただいたので、山本家にいます。これがまたね、家も近いの。本当に絵に描いたような腐れ縁だわ。

一括りに山本家と言っても、その中の２階の奥の方、あかねちゃんの部屋にいる。

いやぁ、何度来ても可愛らしい部屋だ。

そんな部屋の中。



「……はい、Aちゃん。何の話かわかってますよね？」

「……」



仁王立ちのあかねちゃんに向かって、正座してます。もう一回言います、正座してます。

やばい、絵面がやばい。

ナメられてるわけではない。断じて違う。むしろ助けてもらってるわけだ。



「研磨君に、告白できましたか」

「…………できてません」

「もー！！」



中学生に恋愛相談する高校生の情けなさよ。

でも、そうなのだ。あんなに好みが合わないと嘆きながらも、そんな相手を好きになってしまった。最初は何だこいつとまで思ってたのに。

そして情けなくも(何回も言う)、あかねちゃんにバレ、その流れで相談に乗ってもらって今に至る。

腐れ縁の奴の妹が優しい。嬉しい。そしてやっぱり情けないぞおい。



「Aちゃん頑張れ！研磨君と仲良いんでしょ！お兄ちゃんも言ってたし。もう押せ！押して押して押しまくれ！」

「いや、だってね？好きな人と好みが恐ろしく合わないとか恐ろしいよ？その中でアタックしろと？無理無理……ていうか寧ろ、わざと合わない事言われてるんじゃないかな……あれ、それって嫌われてね？終了したよ？うふふ」

「ネガテイブ禁止ー！」



まぁ、そこはご理解いただきたい。

好きな人と好みが一緒なら、そこから話を進められて、いい雰囲気になってというのもありえるだろう。

が、私の場合このままだと良くて女友達ゴールだ。なんてこったい。誰か助けてくれさい。



「おーい、あかねー……って、A本当に来

「今入ってくんな」

「お兄ちゃん出てって」

「なんでそんな当たり冷たいの？？」

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