これは恋ではないので、【国見英】

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「……でしょ？」

「でもなんで、そいつらに話した？中学が一緒だかどうだか知らないけど、そんなの俺に直接言えばいいだろ、今みたいに」



そこで、何かが私の中でプツン、と音を立てて切れた。それが何かはわからない。

でも



「……自分を嫌ってる人に、嫌わないでって？」

「……それは、」

「国見、さっき言ったよね。私のこと嫌いって。知ってたよ、そんなの。そんな相手に『嫌わないでください』って？バカじゃないの、そんなの何も生まないよ。それで何か解決する？」

「バカって、お前」

「……だから、どうしろっていうのよ」



ああ、やめて。やめてよ、私。

こんなの、ただの八つ当たり。しかも本人になんて、ただの逆ギレじゃないか。

やめろ、やめてくれ。

でも私の意思に反して、私の口は勝手に言葉を紡ぐ。どんどん、どんどん。



「……これ以上、嫌われたくないの」

「……っ、だから、あれは！」

「嫌いなら、放っておいてよっ！！」



自分の発言に、周りの空気に。なんかいろんなことに居た堪れなくて、その場から走って逃げだ。

離れる直前、国見が私の名前を呼んだ気がした。

……気のせいか。

だって嫌いな相手の名前を



『Aっ！』




あんな必死に呼ぶはずないもの。







───────────────





「国見、」

「……月島」

「どーも、好き勝手やってくれたね」

「お前に、関係ねえだろ」

「うん、関係ないね……君とは(・・・)」

「……は？」

「少し、お話しようか」

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