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「お父様、ここが私の部屋ですか?」
白いブラウスに真っ赤なスカートを履いた十六ほどの見た目の少女がくるりと六畳ほどの部屋を一周する。お父様と呼ばれる男はそうだ、と少女の問いかけに応じた。
「そうだ、私に今出来ることはありますか? お父様のお仕事まで時間はあるようですし、荷物の整理や掃除でもしましょうか」
「……否、いらん」
少女は笑顔でわかりましたと言うと早速自室に荷物をばら撒き始めた。革製のトランクケースから家族写真や衣服がこれでもかというくらい溢れ出ると、少女は思い思いの場所にそれらを収納する。誰の歌かもわからない少女の曖昧な旋律の鼻歌が部屋に響く。


ここは、帝國図書館。国のあらゆる書物がここに納められている。
少女とその父である東雲 咎は原因不明の現象を解明するために特殊能力者、アルケミストとして帝國図書館に派遣される。といっても、アルケミストの素質があるのは少女の父で、少女自身はこれといって戦力になるような取り柄はなかった。ただ、少女には父親以外の親族がいなかったのでついてきた。ただそれだけだ。

「東雲 咎、東雲 咎。今すぐ図書館中央部へ」

少女が部屋で模様替えを行っていると、どこからか放送が聞こえた。それは男の声で、父親とあまり変わらないくらいの年齢の声だった。少女はちょっとした好奇心からこそこそと、呼ばれてもいないのに図書館の中央部へ歩き出した。
図書館はとても広く、油断したらすぐ迷子になりそうだ。少女の部屋がある別館は宿かと思うくらいの数の空き部屋がある。自分の部屋に戻ってこれるかも危うい。少女は不安になったので自分の部屋の前に自分の髪飾りを置いておいた。よくある、花を模した形のものだった。

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設定タグ:文豪とアルケミスト , 文アル , 二次創作   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:逆さ天然水 | 作成日時:2017年7月23日 9時

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