Daily Motion 8 【男性声優】

異種 ページ8

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その仕事場の空気は重かった。

理由はその場にいる人全員分かっていた。


「まーたキミと一緒の現場かぁ」

「す、…すみません、よろしくお願いいたします…」

「まったく、大したことない役だって作品を構成するもののひとつなんだ、才能のないキミに任せられるかね」

「…がんばり、ます」

「俺がキミぐらいの年齢のときはすでにレギュラーも決まってたよ？今からでも遅くない、やめたら？」


公衆の面前でよくあんな態度がとれる…

スタジオブースの狭い空間がより一層息苦しい


「…先輩、あれどうなんすか、」

手元のスマホが光ったので確認してみると隣に座った後輩からのメッセージだった

「監督がまだ来ないからやりたい放題だな」

「潤さん、あの人は…」

「乙さん、それで目を付けられてるのは乙さんとこの新人だな」

「乙さんて…」

「あぁ…」


乙さんというのは最近そこそこ知名度が上がって来た人。だからか知らないが、ここのところ後輩への態度が目に余る。

だからと言って俺、福山潤もどうしたらいいのか、と考えあぐねている。乙さんは俺より年齢が上だ。年上の人に対して、どう注意したらいいものか。

しかし、この場にいる中ではかなり俺は古株だ…俺がなんとかするしか、
携帯でのやりとりをいったん終え、俺は顔を上げる。

そして不安そうな後輩の視線を横に感じながら意を決し立ち上がろうとしたとき



「おつかれさまでーす！」という聞きなれた声とともに、「あー！」と言いながら俺の横を通り、問題の二人に近付いていく

福山)「A…！？」

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