Daily Motion 8 【男性声優】

ドSベイビー ページ22

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立花さん宅に到着すると、遊佐さんが「おかえり」と待っていてくれていた。なにこのシチュエーション、乙女ゲーム？


遊佐さんは別に怒っているわけではなくただ台所を勝手に使っていいか、と思っただけらしい。

冷静に考えればお腹が空いて不機嫌になるって赤ちゃんやん。あんなにドSなのにベイビーは遠慮したい…。


福山さんは未だにすやぁしているらしく、ちょっくらそのご尊顔を拝んでやろうかと思ったのだけれど、立花さんにお前はシャワーにかかりたいんだろうが、とバスルームへと追いやられた。


そういえば私、申し訳程度に眉毛だけ描いただけの顔だったんだ。

そんな状態で暫く立花さんの隣を歩いてしまった上にカップルごっこ(仮)だなんてとんでもなく失礼なことしていた私を今すぐぶん殴りたい。ぶん殴りたいけどぶん殴ったらもっと顔の造形崩れるからやめておこう。


過去は過去。そう割り切ることにした私はシャワーを使わせていただき、さっぱりとした状態でまた顔の突貫工事に取り組むのだった。



＊



『シャワーありがとうございました』

身支度を終え、脱衣所から顔をのぞかせるとなにやらいい香りが。



『わー！すごい！』

遊佐)「すごい？ただ焼いただけだけど」

『朝起きたらご飯が用意されているって状況に感激です…』

遊)「そっか…嬉しい？」

『嬉しい…です、それよりもすみません！先輩方にやってもらって…』

遊)「いいんだよ、Aを喜ばせようと思ってやったことなんだから」


あっれー？遊佐さんってこんなに優しくて素敵な先輩だっけ…と少し失礼なことを考えていると、福山さんがコーヒーカップを人数分出しながら不貞腐れたような声を出す。


福山)「ちょっと遊佐さん、作ったの俺なんすけど」

遊)「あっははー、ごめんねぇ？」


「油断も隙もない…」とつぶやいた福山さんが顔を今度はこちらに向けて「おはよ」と言う。


福)「A、珈琲にはミルク？牛乳？砂糖？それともブラック？」

『おしゃれにミルクですかね』

立花)「はい牛乳」


テーブルに人数分の料理が並ぶとなかなかに圧巻だ。久しぶりに家族でごはんを食べるかのようで、私は思わず口角が上がってしまった。


遊)「よーしじゃあ食べよ〜」

遊佐さんの声で皆各々席に着き、皆で手を合わせ遅めの朝食をとる。ちょこちょことされる会話が心地よかった。



その後は昨日ちらかした台所やその他の部屋を総出で片付け、私たちの楽しい飲み休日は幕を下ろした。

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