罪は許されないものでした ページ46
「は？」
アズールは困惑した。
「どうだ？祭司っぽい威厳で言ってみたんだけど無理か、やっぱりこういうセリフはミレナだよな」
「トワ、ふざけないでください」
マナに叱られてしまった。
それより、懺悔しろという意味は至って単純。子供が○○してごめんなさいと友達に謝るのと一緒。懺悔しろという言葉を使ったのは、謝る相手は友達では無く僕や今までに魔法を奪ってきた人達だからだ。
「まさか土下座してゆるされる間柄とでも思っていたのか？そんな訳無いだろう、僕の子達を奪った罪は僕は何度転生しようと許さない。お前はこれから何年もかけて懺悔して報われるべきだよな」
「ちょっとトワ、あんた言い過ぎじゃないかしら」
ヴィルが流石にと止める。子供が誘拐されて許す母親がいるものか。当然のことだろう。この事で牢屋にぶち込まれるなんてことは無い、それなら僕が裁く。
「アズール、お前のしたことは窃盗、誘拐、詐欺そして殺人未遂だ」
「は？お言葉ですが私は人を手にかけるようなことはしていませんが…」
「わぁ、なんて無責任」
魔法士にとって魔法を奪われることは、人権を奪われるに等しいこと、つまりは殺人だ。今回は元に戻ったから良かったものの、戻らないものだったら確実な殺人になる。己が魔法士なのになんて無責任な奴だな。
「お前から魔法を奪ったらお前も分かるかな」
「まぁつまりですよアズール」
これ以上はダメと言わんばかりにマナが遮る。
「魔法が使えない魔法士など、魔法士と呼べますか？呼べないでしょう？それはつまり、あなたのした行為は魔法士を殺したことに近しいのですよ」
「！…」
「リドルのオフイズユアヘッドは単なる封印であるから、まだその人の中に残っているし、あれは自力で回避出来るものです。トレイの上書きも僅かな時間経過で終わってしまいます。でもあなたはどうでしょう、完全に奪い、完全にその人の中から消してしまう。そしてその契約は達成しないと永遠に消えない。その契約内容は無茶なものばかり、中にはトワのように絶対に無理なものも」
それでもまだ殺人未遂を否定しますかと問われたアズールの顔は、明らかに動揺していて真っ青だった。事の大きさに気付いたようだ。横で見ているヴィルはなんとも言えない表情をしていた。
「アズール、どうする？どう懺悔する？どう償う？」
「僕は…」
「…まぁ僕は君を許さないけどね……とりあえずアズールには僕のお手伝いをしてもらおうかな、したら許してあげる」
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神里(プロフ) - カナリアさん» ありがとうございます、頑張ります！ (2021年3月27日 14時) (
レス) id: 2475bb3e2f (このIDを非表示/違反報告)
カナリア - 良い作品です。更新頑張ってください！ (2021年3月26日 7時) (レス) id: 74f0a1383a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神里 | 作成日時：2021年2月27日 11時
