一方その頃の姉御 ページ31
トワに急に呼ばれたと思ったら、目の前には知らない眼鏡の男がいた。
「アズール、悪いけど先急いでんだよ、姉御にでも伝言お願いしとけ」
とだけ言い残して、トワは走り去ってしまった。
「はぁ…まぁトワらしいですね、ところでトワに何用ですか？アズール」
「これはこれは、あなたはトワさんのユニーク魔法なのですか？この前見た方とは違いますが、何人いるんでしょうか、興味深い魔法ですね」
「またこの質問ですか？今日で2度目なんですよ…トワのユニーク魔法ですよ、あと何人いるかは教えません、勝手に予想しててください。で、ご用件は？」
アズールが不敵な笑みを浮かべた。何か確実に何かを企んでいる。
「狙ってますね？」
「…おや、何をでしょう」
「とぼけないでください。分かりました、あなたがトワを狙う理由…アズール、あなた人の魔法を自分の魔法にできるんですね？」
たしかに、これならトワも嫌って近づかないはず。流石に無条件で魔法を奪うことは出来ないから近づくと予想した。それから、特に何も魔法を使おうとしなかったり、言葉を巧みに使ったりするところを見ると、私の予想があっていれば。
「あなたは、両者の同意が無いと魔法を奪えないのではないですか？いわゆる、契約」
「……何故そう思うのですか？」
「さぁ、勘ですかね」
きっとアズールの用件はそれだったんだと確信した。この世界の魔法のことをよく知らないトワに、その事で契約を持ちかけるということもありそうだ。
「お引き取り願います、アズールも授業に遅れますよ。では私はこれで」
「一つだけよろしいですか？」
「…何でしょう」
「私少なくとも、トワさんがマジカルペンを使っているのを見たことがありません。あなたを出す時も使いませんでした…トワさんは一体何者ですか？」
「…トワは」
何者ですか？と聞かれたら、私たちの中では何と答えるか決まっていた。トワはそれを知らない、私たちが勝手に決めたから。
「トワは…私たちの母です」
「母？」
「それでは、またいつかお会いしましょうね」
困惑したアズールを置いて、私は帰った。
このことは後々トワに報告して、今はあの世界でちゃんと仕事をしましょうか。みんな待っていますし、急がなくては、ね？
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神里(プロフ) - カナリアさん» ありがとうございます、頑張ります！ (2021年3月27日 14時) (
レス) id: 2475bb3e2f (このIDを非表示/違反報告)
カナリア - 良い作品です。更新頑張ってください！ (2021年3月26日 7時) (レス) id: 74f0a1383a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神里 | 作成日時：2021年2月27日 11時
