想像力こそ魔力なようで ページ4
「セイヤ……?」
「うん、セイヤだ、もうなれたようだな」
「状況説明お願いいたします」
「あー、そうだね、じゃあそこに座って話そうか」
人が少ない席を指さして、セイヤはにっこり笑った。なんかもう夢か現実かもっと分からなくなってきた。セイヤが出てきたおかげでせっかく慣れてきた世界観がぶっ壊れた。
席についてセイヤから詳しい説明を聞いた。
「転生……なのかな、でも今はもう【母さん】は向こうでは意識不明の重体の状態なんだ、昏睡状態」
「母さんって何」
「そら僕たちを産んでくれたんだから【母さん】だよ…そんなことより、母さんは今もう死に等しいくらいの状態だから、もう転生って言ってもいいくらい。で、この世界で母さんは実質最強なんだ」
それはもう実感したよねとセイヤは笑う。やはり全て想像力が私にとっては魔力のようだ。つまりは、想像力が無限である限り、私の魔力も無限である。更に、見たことあるなら当然、見たことなくても想像で「これがしたい」などと想像しても具現化するらしい。
そして私が転生したのは、ゲームにすら1度も出てこないレベルのモブだった。このモブは元々私と性格が丸々似ていて、授業とかに出ないのはいつものことだったらしい。退学にならない理由は実力はあるからだそうだ。
「じゃ、もう強いのはバレてるってこと?授業に出ないせいで生徒には知られてないだけであって、先生とかにはバレてんだ」
「そういうこと」
たしかにこんな奴をゲーム内に出すのもおかしいからな、ポジション的にはまぁ悪くは無い。
「あ、そうだ母さん」
「何?」
「母さんってさ、僕みたいに姿形、設定がしっかりしてて覚えてる人って何人いる?」
オリキャラの数……この前数えてあれ以降増やしていないから。
「55人?」
「その55人、全員出せるからね。後、1個ずつ能力もつけてたと思うけど、それも反映されてるよ。そしてその能力は母さんも使えるからね」
「つくづくチートなこと」
じゃ僕は帰るねと、セイヤは静かに消えた。
チートも悪くない。前世…の自分は絵以外雑魚だったからなぁ。
考えていると、コツコツと足音が聞こえて顔を上げる。先程セイヤが座っていた席の背後に、さっきのウツボ兄弟とアズールがいた。さっきので目をつけられたらしい。
「……何用?」
「いえ、大したことはないのですが、お名前を伺っても?」
このモブの名前知らないなぁ……適当に名乗ってもいいか。
「……トワ」
結局自分の名前を名乗った。
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神里(プロフ) - カナリアさん» ありがとうございます、頑張ります! (2021年3月27日 14時) (レス) id: 2475bb3e2f (このIDを非表示/違反報告)
カナリア - 良い作品です。更新頑張ってください! (2021年3月26日 7時) (レス) id: 74f0a1383a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神里 | 作成日時:2021年2月27日 11時