干ばつは中々手強いけど ページ25
「レオナさん…それってどういう…」
ラギーが動揺する、聞き間違いであれと願っている顔をしていた。
「マレウスがいるなら勝ち目がねぇよ、無駄だ」
「レオナ…本当に小心者だね、王を名乗る割には」
「あぁ…そうさ、俺はなんの取り柄もない奴だ」
「王に憧れ、でも手にしたのは偽物で…本当に…」
哀れ。
「なんだと…？」
地面が再び割て干上がる。砂が舞って人すら乾燥させてしまいそうだった。
「ユノ」
「Water!up，rain!」
少しでも乾燥しないように雨を降らした、正しくは、水の塊を少しずつ使って乾燥を防いでいる。
レオナが地面に触れる、空気に触れる。
ありとあらゆるものが砂に変わり、ラギー達の腕にはヒビが入っていて、もう喉も乾いて声が出せていない。
「ユノ、直接ラギー達に水を、僕はもう良い」
「え？でもそしたらママが」
「はやく、セイヤとミコトも長くないから」
寮生たちを抑えていたミコトセイヤはレオナに近いから、キングスロアーの影響を強く受けている。
ミコトを庇っているセイヤの頬からヒビが入っていた。
「分かった！Water!」
「よし、急ぐか…リドル達、戦えるね？」
「ああ、もちろん」
レオナが黒い液体に包まれている。
「ははははははっ！！皮肉だろう？何より干ばつを嫌うサバンナの王子が持って生まれた魔法が…触れたものを干上がらせる魔法なんてよ」
「まぁ、別にいいと思うけどな、強いし」
つい本音が出る。相手の強みを認めることは当たり前だから、褒めてしまった。
「うーん、どうしようか、なんの魔法がいいかな」
「呑気に考えている場合かい？流石だね、君は」
リドルに呆れられてしまった。
「あー、じゃこれでいっか」
想像で大きな筆を取り出した。リドルの杖くらいの大きさの筆だ。
「筆ぇ？！」
みんなに驚かれてしまった。前世はただのお絵描きマンだったから、画材しか出てこなかった。
「まぁ、全然武器だけどな」
筆を振り回す。様々な色の絵の具の塊がレオナに飛んでいく。レオナは優れた防御魔法で防ぐ。
「ただの絵の具じゃないんだなぁ」
絵の具に向かって手を伸ばし、強く手を握る。絵の具はその場で勢いよく爆発して、レオナの防御魔法を壊した。
「なに？！」
レオナが驚く。
「凄いだろ、僕の絵の具、絵を描くことにしか長けていないからその分かな？」
「つまらねぇ冗談だな」
さて、時間は稼いだかな。
「そこの3人、行け！」
レオナが振り向くと、そこにはユノ、ミコト、セイヤがそれぞれ準備をしていた。
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神里(プロフ) - カナリアさん» ありがとうございます、頑張ります！ (2021年3月27日 14時) (
レス) id: 2475bb3e2f (このIDを非表示/違反報告)
カナリア - 良い作品です。更新頑張ってください！ (2021年3月26日 7時) (レス) id: 74f0a1383a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神里 | 作成日時：2021年2月27日 11時
