黄金の午後にお会いしたい ページ14
今日はいつも通り授業がある、授業の日はせめて学内にいるようにとされて中庭で本を読んでいたが、今日は部屋にこもっている。理由は、リドルのオーバーブロッドの時に目立ってしまい、リドルの命令で私を探しているらしい。
「そらそうか」
「当たり前だよママ〜」
ユノと2人でティータイムをしていたが、外にはハーツラビュル寮の寮生達が、休み時間になっては探している。落ち着いて茶を飲めない。幸い寮すら分かっていないようだが、ここに来るのも時間の問題だ。
あまり接触はしたくないが、ここまで来ると流石に話さざるを得ない。私はカードを取り出して、カードに内容を書く。
【リドル寮長、今日黄金の午後にそちらに伺います】
とだけ書き、窓を開けて下にいるハーツラビュル寮生に叫んだ。
「そこのハーツラビュル寮生、これあんたらの寮長に渡しといて」
「え？！」
寮生はまっすぐ飛んで来るカードを、不意に来たにも関わらず指２本で取った。
「お見事、じゃ頼んだよ。あんたら授業なんだから戻りな」
そう言って私は窓を閉めた。
「いいの？ママ」
「うーん、微妙だけど、リドルとも話したかったから」
「ママ1人で行くの？」
「あー、どうしようかな、メイド1人連れていこうかな…ってかユノも近しい感じだったよな」
「うん！ユノ元メイド！」
そう言えばそんな設定つけたわ。
そしてやっと黄金の午後の時間帯になり、ユノを連れてハーツラビュル寮に向かった。男子校の中を堂々とユノを連れて歩くのは目立つけど、ユニーク魔法と言えばなんとでもなるからいいということで、ずっとユノを出していた。
黄金の午後、それは不思議の国のアリスの作者であるルイス・キャロル(マザーグースという人が原作という説もある)がよく言ったこと。アリスたちと船の上で物語を語った昼下がりのこと。数学者であり、英国の変わり者である彼は、話の泉が枯れない限り、語り続けたそうだ。
「ねぇママ」
リドルの所へ向かっていると、ユノが尋ねた。
「なんでわざわざ昼下がりなんかに行くの？放課後でもよくない？」
「そうだけど、でもアリスと言えばこの時間帯だからな、僕の変なこだわりさ」
「ふーん、ママたまに変だよね」
「たまにか」
食堂にたどり着く。人が密集してて、どこに誰がいるかわからない。みんなで重そうなものを食べているのも見るとすごいと思う。私なんかマカロン3個で十分だから。
「リドルどこだろ」
「赤い髪で背が小さい」
「あれ？」
指の先にはリドルがいた。
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神里(プロフ) - カナリアさん» ありがとうございます、頑張ります！ (2021年3月27日 14時) (
レス) id: 2475bb3e2f (このIDを非表示/違反報告)
カナリア - 良い作品です。更新頑張ってください！ (2021年3月26日 7時) (レス) id: 74f0a1383a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神里 | 作成日時：2021年2月27日 11時
