◇紺色と水 ページ22
だんまりを決め込んだら殴られた。そりゃそうだ。
1発殴られて髪を引っ張られる程度で済んでいるんだからまだ優しい方なんだろう。
でも痛いもんは痛い。涙が出てきた。
そんな時新しい声が聞こえた。
顔を上げるとそこに居たのは青い髪に紺色のスーツ、眼鏡にタバコ。
目を見開いた。あの町で見た、幹部様の1人だった。
『………うつさま、、？』
何故ここに？というか、ω国の幹部様がここにいるということは、この国はω国？
「は？なに、大先生知り合い？」
「ちゃうわ！知らんて！」
「名前知っとるやん」
「知るかいな！黒髪の子なんて知り合いにおらんて！」
どうやら鬱様で間違いないようだ、よかった…。
『…う、うつさま』
「は、え、なに？！」
『…ここは、ω国ですか？』
「え、せやけど」
何当たり前なこと言うてんの？みたいな目で見られた。でも確証がなかったのだから許して欲しい。
『ふ、は、っ、あ、よかっ、あ、』
ボロボロと涙を流しながら息を整える。
「え、あ、大丈夫か？」
『大丈夫です、すみません』
「とりあえず水飲み？ほれマンちゃんこれ」
「…わかった」
ペットボトルの蓋を開けて口に持ってきてくれた。
『ありがとうございます…』
「ええから、はよ飲むめぅ」
数口飲むと、ペットボトルは回収された。
「で、なんで大先生のこと知っとんの」
『…町で見たからです』
「町？いつ頃の話それ」
『数週間前です、開戦宣言の少し前に。』
「森の手前の町に支援物資届けに行った時のことやろか」
「もう1人おったやろ、僕の他に」
『はい、金髪の、えと、コネシマ様が、』
「せやな、シッマと行ったわ」
どうやら事実との擦り合わせをしているらしい。
ω国と分かった今、隠すことはほぼない。ほぼ。
「んで、このピンバッチはどうなん？」
『…この持ち主の方は無事ですか』
「は？こっちが質問してんねんけど、」
「マンちゃん、まあまあ、ええやんけ、教えたろーや」
「なんでやねん」
「まあまあ、お嬢さんはこのピンバッチの人のこと知っとんの？」
『…はい』
「そ。無事やよ。ちゃんと帰ってきた。」
『…よかったです』
サヨさん、無事ω国に戻ってこれたんだ。よかった。
「教えてくれる？彼と何があったんか」
『…はい』
『……彼は、β国の軍人さんに追われて、私の家に飛び込んできたんです』
あれだけ頑なに隠し通していたのに、ω国と分かって、更にはサヨさんが無事であることが分かったからなのか、安心したからなのか、ポロポロと口から出てくる。
こうして、この2人にサヨさんとの数日間の話を語った。
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ーーー - 好きです (3月13日 4時) (
レス) @page35 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
マリン(プロフ) - 楽しい作品ありがとうございます！続きも楽しみにしてます。 (2023年3月27日 10時) (レス) id: 26248b9bea (このIDを非表示/違反報告)
なな - お米様抱っこ好きですw (2022年10月15日 21時) (レス) @page28 id: 7cadbb1f0e (このIDを非表示/違反報告)
スンドゥブ左衛門(プロフ) - 無名さんさん» お返事遅くなりました。どちらに掲載したのか等をお教えいただけるのでしたら、是非お願い致します。ﾂｲｯﾀとかでご連絡頂けると助かります。 (2022年8月7日 8時) (レス) id: 2b12ea7bfc (このIDを非表示/違反報告)
無名さん - 失礼します！僕今、おすすめの作品を紹介していて、作者様のお名前と作品を出してもよろしいですか！？こちらの作品僕大好きでして…ぜひ紹介したいんです！ (2022年8月6日 11時) (レス) @page35 id: ea8e66f22c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スンドゥブ左衛門 | 作成日時：2022年6月14日 15時
