◆頑なに隠すもの ページ21
osmn side
次の日。
同じように地下牢に向かうと食事を提げてきた兵士とすれ違った。
「なあそれって」
「あの女に出されたものです。全く手をつけておりませんが」
「ん、そか。ありがとう」
「いえ、失礼します」
食事に手をつけないスパイはいくらでもいるから物珍しいものでもないけど。なんか違和感が残った。
「今日もよろしゅうね」
『…はい』
こんな埃っぽいところにいて水分も取っていないせいか声が掠れている。たった１日でこれだけ生気が薄れるとはほんまに弱いなあ、なんてね。
「きみはどこの国の人なん？」
『……
「あの森に何しに来たん？」
『……
「どうやって生活してたん？」
『…近くの町にでて、働いてました』
「そこは、どこの国なん？」
『………
「何して働いとったん？」
『…小さな食堂で接客をしていました』
「どんな町やったん？」
『…商店街の並ぶ大通りがあって、あったかい人達が沢山いました』
「その町で軍人を見た事はある？」
『…
「じゃあ、それ以外の場所で軍人を見た事はある？」
『…あります』
国のことに関しては頑なに口を割らない。
そろそろ面倒になってきたんやけど。
「じゃあさ」
今日の本題だ。
豚のピンバッチを取り出して見せると、彼女は目を丸くしていた。
「これ、君が持ってたんだよね？」
『…………』
「これの持ち主のことなんだけど？」
『……
「分からないっちゅーことは、知っとんのやね」
『…………』
「いい加減にせえよ」
ドスの効いた声を出すと彼女はｶﾋｭと喉を鳴らした。
「こいつに何したん。言うてみ」
『………』
「あ？」
『………』
俯いてだんまりを貫くようになった彼女。
あんまり暴力担当してないからあれなんだけどなあ、なんて思いながら思い切りぶん殴る。
『っぐ…』
真横に吹っ飛んだ彼女の頬は腫れ上がった。
両手が塞がれてるせいで自力では起き上がれないようだ。
「なあ？そろそろほんまのこと言うてえな、な？」
黒の髪を引っ張って無理やり起こし、涙濡れになったその目を覗き込んだ。
その時、
「あーあー、マンちゃんやってんねえ」
タバコを吸いながら現れたのは大先生やった。
「珍しいね、マンちゃんが暴力なんて」
「…まあね」
「ま、そゆときもあるやろ」
ふうん、それなりに綺麗な女やな。なんて牢の外から見る大先生。
また始まったと髪を離したと同時に聞こえたか細い声。
『………うつさま、、？』
足元の女は目を見開いていた。
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ーーー - 好きです (3月13日 4時) (
レス) @page35 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
マリン(プロフ) - 楽しい作品ありがとうございます！続きも楽しみにしてます。 (2023年3月27日 10時) (レス) id: 26248b9bea (このIDを非表示/違反報告)
なな - お米様抱っこ好きですw (2022年10月15日 21時) (レス) @page28 id: 7cadbb1f0e (このIDを非表示/違反報告)
スンドゥブ左衛門(プロフ) - 無名さんさん» お返事遅くなりました。どちらに掲載したのか等をお教えいただけるのでしたら、是非お願い致します。ﾂｲｯﾀとかでご連絡頂けると助かります。 (2022年8月7日 8時) (レス) id: 2b12ea7bfc (このIDを非表示/違反報告)
無名さん - 失礼します！僕今、おすすめの作品を紹介していて、作者様のお名前と作品を出してもよろしいですか！？こちらの作品僕大好きでして…ぜひ紹介したいんです！ (2022年8月6日 11時) (レス) @page35 id: ea8e66f22c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スンドゥブ左衛門 | 作成日時：2022年6月14日 15時
