40、理解しがたい ページ40
「えーすーかーばーめーるーせーんーぱーいー。」
「なんなの。」
ダルいダルい、と言いながら、エスカバ先輩は私にボールを蹴り返す。
挨拶がわりにシュート技の練習をぶつけてみたのだが、普通にできなくてあっさりととめられた。むしろパスの技にした方が良い気さえする。氷の矢的な。
エスカバ先輩とはでかい公園のグラウンドで待ち合わせしており、30分前と少し早めに着いてしまった私だがそんなに待つことはなかった。試合だって練習だって早め早めの行動を心がける先輩は偉い。
「さっきですね、ちょっと良いことがありまして。」
エスカバ先輩は、ふうん、と相槌を打って、
「鏡の中の自分が可愛いみたいなオチはやめろよ。」
「それはウザいですね。」
へへっ、と笑う。というか今、さりげなく褒められた？
「もしそうだったら、お前のことをミストレジュニアと呼ぶところだった。」
「ミストレジュニアも悪くはないですけど、それならバダップジュニアと呼ばれたいです。」
ミストレ先輩はミストレ先輩で、なんだかんだ言って尊敬できる先輩だと思うが、あやかるなら絶対バダップ先輩のネームバリューの方だ。
「で、何があったんだ結局？」
「それはですね、あー……内緒です。」
「なんなのうざ。」
露骨に嫌な顔をするエスカバ先輩。
だって、なんとなくだけれど西蔭さんとのことは内緒にした方が良いような気がする。
ていうか絶対、私と西蔭さんが知り合いだとかエスカバ先輩は信じないだろう。私だって未だに信じられない。白昼夢でも見てたのでは？
ラーメンを食べた後、西蔭さんとはラーメン屋さんの前で別れた。
餃子を食べた私は歯を磨きたくて一旦お家に帰ってから来た。結局家に帰るなら、このだっさいジャージはフットボールフロンティア会場に着ていかなければ良かった。
「あ、そういえば、藤ノ木中対龍角寺岩屋中、藤ノ木中が勝ちましたよ。」
「それ知ってる。ミストレから連絡来た。」
「えっ、ミストレ先輩も来てたんですね。全然知らなかった。」
俺はてっきりミストレと行っていたのかと。と、エスカバ先輩はびっくりしている様子だ。
「なんなの？どっちもぼっち観戦に行ってたの？仲良いなー。」
「一緒に行ってないんだから仲良くはないですよ。」
わけわからないな、エスカバ先輩の理論。
41、自主練→←39、だって西蔭さんがあまりにも柔らかく笑うから
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マトリックス(プロフ) - 飴子さん» コメントありがとうございます！二人の中学生感、私も気に入ってるのでめちゃめちゃ嬉しいです。 (2018年9月16日 18時) (
レス) id: 5cf0ad2a55 (このIDを非表示/違反報告)
飴子(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。テンポの良さと夢主ちゃんのキャラが痛快で、サクサク読んでしまいました。とても面白かったです！個人的に夢主ちゃんと風子ちゃんの中学生らしい会話が好きです。続きを楽しみにお待ちしてます。 (2018年9月15日 23時) (レス) id: e8d9f617ef (このIDを非表示/違反報告)
速水ヒロcv前野智昭love♪(プロフ) - マトリックスさん» カッコいいですよ！！続き気になります。 (2018年8月30日 15時) (レス) id: 5e287a4c41 (このIDを非表示/違反報告)
マトリックス(プロフ) - 速水ヒロcv前野智昭love♪さん» コメントありがとうございます、そう言っていただけると嬉しいです！声優さんあまり詳しくないので、調べてみます〜 (2018年8月30日 12時) (レス) id: 5cf0ad2a55 (このIDを非表示/違反報告)
速水ヒロcv前野智昭love♪(プロフ) - 初めましてコメント失礼します。続き気になります。めっちゃ面白かったです。西蔭君の中の人もかっこいいですよね？更新頑張ってください (2018年8月29日 21時) (レス) id: 5e287a4c41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マトリックス | 作成日時：2018年8月21日 11時
