魔王と冷徹(笑)狙撃手【WT】

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「飯を食いに行くぞ」

防衛任務が終わった後、二宮は部下たちを食事に誘った。それは二宮の奢りということらしく、彼女も断る理由が無いため着いていく。

着いた先は焼肉屋「寿々苑」。よくボーダー隊員が集まる、定番の食事処である。

ちなみに、席順は二宮と犬飼、向かいに氷見を挟んで辻とAが座っている。

それぞれが注文を済ませると、犬飼が言った。

「それじゃあ、ツキちゃん入隊を祝して！乾杯！」

どうやら自身の歓迎会も含まれていたらしい、と気付いた彼女は少し照れくさい思いだった。
人との関わりがあまり無かったら彼女からすれば、これはとても嬉しい出来事である。居心地は別として。

「辻、そろそろ槻島に慣れたらどうだ」

「いや、あの……」

「辻君も段々と槻島さんに慣れてきていますよ」

「ツキちゃん食べてる？ほい、お肉」

ありがとうございます、と犬飼から焼かれた肉を受け取りもきゅもきゅ食べる。

「二宮さん、次は中華にしましょう」

「ひゃみさん、酢豚が食べたいだけでしょ…」

「中華もいいね〜」

氷見の話に辻と犬飼が乗る。
その会話を黙々と食べながら聞く。二宮も会話に交じらず、それらを見守るように肉を焼いていた。

「ツキちゃんの好きな食べ物って何？」

急に話が振られて驚くものの、落ち着いて返す。Aはオムライスが好きだ。特に妹の作ったものが(妹の作ったものであれば何でも好きだが)

そこからまた話題は広がり、趣味や休日の過ごし方、ボーダーでのことにまで及ぶ。

彼らとの会話に興じながら、一人のときでは感じられない楽しい時間を彼女は感じていた。




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