29 プレゼント ページ30
モ「A、プレゼントがあるんだけど…」
「？」
(プレゼント…？なんだろう？)
猫相手には勿体ないくらい綺麗に包装された箱がテーブルに置かれ、興味津々に私は近づく。
モ「開けるね」
包装が解かれ、中から出てきたのは、小さな鈴のついたピンク色の首輪だった。
モ「また何かあって外で一人になってしまっても戻ってこられるように……ほら」
首輪の内側にはここの住所と電話番号とモトキくんの名前、そして私の名前が書いてあった。
モ「本当は…悩んだんだ。
Aには帰る家があるかもしれないのに、こんなの付けたらAを俺のものにしちゃう事になる」
モ「でも…この前みたいなのはもぅ嫌だから…。これ付けてたら、飼い猫がこんな所でおかしいなって誰か気づいてくれるかもしれないと思うし……とか…考えて……」
モ「でも、ずっと一緒にいて欲しい…とかも…考えてて…。」
モトキくんは心配そうに私を見つめ
モ「嫌じゃ…ないかな…？」
と様子を伺ってきた。
「にゃぁ」
嫌なわけない。
私も、ずっと一緒がいいよ。
首輪に頭を擦りよせると、モトキくんは笑って首輪をつけてくれた。
モ「ピンクは俺のメンバーカラーなんだよ」
(知ってるよ、私も前はピンクの物沢山集めてたもの)
モ「Aもこれで俺のファンだね」
なんて言いながら鈴をチリンと弾く。
(私はずっと、ずぅっと前から、貴方のファンですよ)
「にゃぁ」
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作者名：成海 | 作成日時：2024年2月21日 14時
