５２話 ページ4
「ひっ...！」
黒く光る丸いそれとは対照的に白く､生き物でいて機械のような異世界の住人に強く､そして熱く､鼓動が音をたてたのが嫌と言うほど感じられた
ーー 怖い...こわい...いやだ...
にげなきゃ...どこかにかくれないとっ...
Aは咄嗟に後ろへ踵を返して走り出した
トリオンの量が人よりもずっと多い分､近界民からは狙われるというもので
時折､追ってきている近界民と似た形のものが本能でも直感でもなく"物理的に"感じられた
さらにここでもサイドエフェクトという名の運はいい方向にはたらいたもので､全身の筋肉に"走れ"の命令がただ一つ下された
顔から塩分と水分が同時に流れ出す
とてつもない速さのせいで､その液体がこめかみを通って横に流れる
走りながら今日で世界が終わるわけがないと信じていた...
内部からのアシストを受け､逃げ切ったAは咄嗟に近くの民家の庭に足を踏み入れていた
ーー どこの家かはわからないけど､事情を話せばわかってくれるよね...
お母さんとお父さんの携帯の番号はランドセルの中に入ってるし...
庭に生えていた一本の木の裏が塀で囲まれていて､子供一人隠れるにはうってつけの場所に
どすりと腰をおろした
ーー 全身が痺れて動けない...今あの白いやつがきたらもう無理かも...
それに...このたいみんぐで...ねむけが...
サイドエフェクトで唯一コントロールできない欠点である睡魔が､無情にもAを襲ってきていたのだ
そしてAはすやすやと心地よさそうな寝息をたてながら意識を失っていった
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あすか(プロフ) - この小説大好きです！ 更新楽しみにして待ってます！ (2016年7月5日 1時) (
レス) id: 442dd19c2d (このIDを非表示/違反報告)
美琴(プロフ) - セリさん» ありがとうございます...！当初は決まっていなかったのですが､最終的には出水先輩になるかと...勿論､今後も色々なキャラクターと絡ませていきたいとは思っていますよ (2015年8月28日 12時) (レス) id: b569b059af (このIDを非表示/違反報告)
セリ(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ ちなみに、オチとかは決まっているんですか？ (2015年8月7日 18時) (レス) id: 233ec6321a (このIDを非表示/違反報告)
美琴(プロフ) - カチスさん» コメントありがとうございます...！これからもどうか宜しくお願い致します！ (2015年7月21日 22時) (レス) id: b1892888c3 (このIDを非表示/違反報告)
カチス - 面白いです！続きが楽しみです (2015年7月14日 18時) (レス) id: 834c2fde26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美琴 | 作成日時：2015年6月8日 22時
