51話 ページ3
ーー 第一次近界民侵攻がおきる数十分前 ーー
小学校6年生。小学校の最上級生であり、クラス替えのない慣れきったこの学年で、以前からよく休みがちだった望月Aは、犇めく会話からはなれ、1人机で本を読んでいた
いつも1人というわけではないのだが、突如原因不明の睡魔に襲われて倒れるという事態が少なくなかったため
特定の友達に話しかけられでもしない限り1人を好んでいた
それもその筈。当時はまだボーダーという組織が表立って活動していなかったため、サイドエフェクトを調べる環境すらもなかった
自分がそんなものを持っているなど知る由もないAは病院に行っても精密機械のような微弱な電流にも反応してしまう機械は壊れ、
診断はどの病院も曖昧。
訳がわからない不安を抱え、1日1日を過ごしていた
勿論、原因がわからないためコントロールをするという行動や発想すらもできずにいた訳である
ーー なんで私はいつもこんなの...??
私の触る精密機械は壊れるし、動物にも触れない。
私と長い時間触れていると、友達は腕が痺れ出したなんて言ってるし...
Aのサイドエフェクトは今でこそとても強力だが、コントロールがきかないと最早デメリットしかないのである
ーー 理科の授業だってコンパスは私の方に向くし、砂鉄は引っ付いて磁石を使わないととれないし...
「はぁ...」
?「どーしたのっ!」
Aが気兼ねなく話せる数少ない友人の1人が後ろから脅かすように声をかけてきた
「ううん。なんでもないよ
...ちょっと今日は具合いが悪いから早退するって先生に言ってもらえないかな??」
するとその友人は素直にわかったと頷いて職員室までかけていった
Aは身支度を素早く済ませ、早々に学校の門を潜っていった
「流石に良くしてもらってる友達に、暗い顔で向き合う訳には行かないよね...」
早歩きをしていたはずがいつのまにか、ゆっくりとした足取りで家までの道のりを歩んでいた
...が
「...?!」
突然現れた黒い稲妻の走る禍々しい"ソレ"を見て、Aはまた帰路で倒れ、夢を見ているという錯覚に陥っていた
だが、夢とは違う鮮明な視界が、そこから吹かれる場違いな快い風が、目の前のこの光景が...
現実である。と、そう思わせるのに充分だった
そしてこのあと、誰よりも日常を願ったいた少女に、逃れようのない非日常が待ち受けていた
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あすか(プロフ) - この小説大好きです! 更新楽しみにして待ってます! (2016年7月5日 1時) (レス) id: 442dd19c2d (このIDを非表示/違反報告)
美琴(プロフ) - セリさん» ありがとうございます...!当初は決まっていなかったのですが、最終的には出水先輩になるかと...勿論、今後も色々なキャラクターと絡ませていきたいとは思っていますよ (2015年8月28日 12時) (レス) id: b569b059af (このIDを非表示/違反報告)
セリ(プロフ) - 続き楽しみにしてます! ちなみに、オチとかは決まっているんですか? (2015年8月7日 18時) (レス) id: 233ec6321a (このIDを非表示/違反報告)
美琴(プロフ) - カチスさん» コメントありがとうございます...!これからもどうか宜しくお願い致します! (2015年7月21日 22時) (レス) id: b1892888c3 (このIDを非表示/違反報告)
カチス - 面白いです!続きが楽しみです (2015年7月14日 18時) (レス) id: 834c2fde26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美琴 | 作成日時:2015年6月8日 22時