5・、でもね ページ5
「それで慎司さんは、Aが自分のせいで虐められたりしない様に
って勝手に家飛び出して行っちゃった」
「……」
「止めたんだけどね、どっか行っちゃったのよ。それでそのまま帰って来なかった」
「……」
「半分だけ書かれた離婚届を残してね、でもそのおかげで周りの目は和らいだ」
「中々自由な人だね……」
「そうね、だから学校で慎司さんが担任持ったってわかった時にはもう驚いて。
始めは人違いだろうって思ったんだけどね。
緊張すると唇を噛む癖とか変わってなかった」
「お母さん……」
「なぁに?」
「知ってる?ALSって」
「なに、それ」
やっぱりお母さんは知らなかった。
「先生は、病気を発症したんだよ」
「えっ?うつ病の再発じゃなくて?」
「うん」
「ALS…ってやつ?それ、どんな病気なの?」
お母さんは心配そうに聞いてきた。
私はお母さんに病気の事を説明した。
と言っても先生から聞いた事しか説明できないけど。
そして、その話を聞き進めるにつれて母の顔が曇っていった。
「……それ、本当なの?」
「うん、病院に入院してるって」
母はしばらく俯いていたけどやがて顔を上げると私に向かって言った。
「慎司さんの所に行きましょう」
6・先生、いや、あなたに出会えたのは→←4・まるで漫画みたいで
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