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想うだけなら許されるはずでしょ？
誰にも迷惑なんてかけないんだから、想うだけなら。
私はいつもの様にこのどす黒く溜まった想いを吐き出すために、紙を取り出そうとした。
だけど、引き出しを開けるとそこに紙はなく代わりに一冊の本が入っていた。
『なにこれ……』
私は毎日毎日要らなくなった紙にありったけの想いを書きなぐって、
そうやって心を落ち着かせていた。
……現実から逃げてただけかも知れない。
それでもその行為は、私に安心感を与えてくれた。
だけど今私が手にしているのは、そんな安っぽい紙ではなく、
立派な表紙がついた、綺麗な綺麗な本だった。
表紙には金色の文字で、交換日記と綴られていた。
その金文字を指でなぞる。
昨日までこんな本は無かった。
ましてや交換日記なんて持ってるはずがない。
そっと私は高級感のある表紙をめくってみた。
中は思ったより普通だった。
ただ、罫線の色も金色で、右下には英語でHorsemanと綴られていた。
『Horsemanってどういう意味だろう』
英語に強くない私は辞書でHorsemanの意味を調べてみる事にした。
『………出逢い』
確かに交換日記にぴったりの言葉だとは思う。
でも、どうしてこんな物が私の引き出しの中に入っていたのかは分からなかった。
どこを探しても名前らしきものや個人を特定できる様なものが書いていなかったからだ。
『………』
しばらく私は交換日記を見つめていたが、やがてシャープペンシルを取り出すとゆっくりと言葉を並べていった。
“４月××日
もう誰も信じられない。
考えれば考える程、皆偽善者に見えて
どうしようもなく怖い。
手がふるふると震えてくる。
だけどあと少しだけ、もう少しだけ頑張って生きてみる事にする。
いつか、皆が平等に、そして幸せに生き続ける事が出来る未来が来る事を祈って。”
そこまで一思いに書き上げると、私は交換日記をパタンと閉じた。
そしてゆっくりと目を瞑る。
深く深呼吸をした私は、再び引き出しへと交換日記を戻した。
『また明日もこれで頑張れる。』
この交換日記は私だけの秘密になるだろう。
交換日記っていう名前なのに、私、誰とも交換なんてしないんだもの。
だから、この日記は私だけの秘密。
誰にも言えない、孤独な秘密なんだ。
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まありな(プロフ) - わさびさん» レス遅れてすみません（汗）コメントありがとうございます！次回作も読みたいと言って下さってとっても嬉しいです(^^)次回作ももしかしたらファンタジー系になるかも？と考えているまありなです。これからもよろしくお願いします！ (2018年6月17日 16時) (
レス) id: 861ad6280a (このIDを非表示/違反報告)
わさび(プロフ) - 完結しましたね！おめでとうございます！とっっても面白かったです(^-^)ファンタジー系の恋愛物語…珍しい設定なので引き込まれちゃいました！まありなさんのストーリーまだまだ読みたいので次も楽しみにしてます！ (2018年6月17日 6時) (レス) id: ce8d2a8d7d (このIDを非表示/違反報告)
まありな(プロフ) - 鏡夜＊スカーレットさん» ありがとうございます！最高だなんてそんな……まだまだです（笑）語彙力もおかしな文章を放り込んだりしてしまうのでもっと精進しないとなんて思います。これからも楽しんでいただける作品を作っていきたいと思っているのでよろしくお願いします！ (2018年6月16日 16時) (レス) id: 861ad6280a (このIDを非表示/違反報告)
鏡夜＊スカーレット(プロフ) - 完結おめでとうございます！なんか……最高でした(語彙力)次作も楽しみにしてます。 (2018年6月16日 16時) (レス) id: dd46af3844 (このIDを非表示/違反報告)
まありな(プロフ) - 否さん» 大変長らくお待たせいたしました。先ほど一話分更新させて頂きましたのでご覧になって頂けたらと思います。これからもよろしくお願いします！ (2018年6月13日 20時) (レス) id: 69e2d78fba (このIDを非表示/違反報告)
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