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▼変わる ページ45

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お風呂も済ませてあとは寝るだけ
だけど私は今リビングにいる


“俺からも話させて”


なんて言われたら寝れるわけがない



魁は賢い
学生時代彼からよく勉強は教わったものだ
察しもいいほうで、私が学校で何かあるとすぐ気づく

だから今回のも気づいたのだろう
まあ、気づいてもらわなければ意味がない
とはいえもっと早く電話すればよかったのにいつまでもうじうじしていた私が悪かった、と今更後悔。



秒針が進む音と雨音がやけに響く部屋
もう時代は令和へと移行してしまった
いや、まだ発表されていないからまだ平成?よくわからない

でも日付は変わったから令和でいいじゃん、そうしよう
そう思ったから私は夜中に電話したんだもの



日付が替わって数十分後
まるで誰かが階段を駆け上がっているような、そんな音が聞こえた
そしてガチャガチャと音を立てて開けられる鍵


開けられたその先には



『ねえちょっとビショ濡れじゃん!!!!風邪引くよ!?』



洗面所から急いでバスタオルを持ってきて上からかぶせて拭こうとする


けれどそれは彼によって止められ
そして私は彼の匂いと雨の匂いに包み込まれていた




motoki「ごめん、ちょっとの間この状態で話聞いて欲しい」




濡れた彼に抱きしめられている
風呂入り直しだな、なんて思いつつも彼の言葉に耳を傾けた




motoki「高校で離れてさ、Aが傍にいないっていうのが寂しかったんだ
  それに連絡くれるのに時間を作れない自分を恨んだし、すげぇしんどかった」



震える声。
あの時、彼も寂しいって思ってくれていたんだ
それだけでも嬉しくて、涙がこぼれてくる



motoki「だから一人暮らしの話を聞いたときは“これだ”って思ったんだよね
  隣に住もうって提案したのも実は俺。どうしてもAの傍に居たかった」




何でか分かる?


腕を解いて肩に手を置き、そう問う彼。
私だってバカじゃないからそれくらいわかるよ、なんて




motoki「好きだよ。ずっと前からAのことが好き。だから、僕と付き合ってくれませんか」



.




『っはい、よろしくお願いします・・・!』





めいっぱい抱きしめる彼の背中に手を回す
幸せすぎて胸が張り裂けそう


そして不意に名前を呼ばれた



motoki「・・・ねえ、風呂貸して」

『絶対体冷えたでしょ!!もーはよ風呂入りな!!』



嗚呼、これが私達らしいな
風呂場に彼を押し込んで1人笑った


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▽いっぱい食べる君が好き。→←・



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作品ジャンル:恋愛
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作者名:Z1GSY x他1人 | 作成日時:2019年6月28日 20時

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