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迎えたライブ当日、今日はココ最近の中で一番やる気に満ちていた。帰ったらAがおそらく家にいるだろうし、何があってもやはり自分はダンサーだからこうしてライブができることも嬉しい。今日は意地でも東京に帰ってやるからな、と意気込む。


ステージに出るなり、メンバーと8号車たちがバースデーソングを歌い始める。あれ、今日誰か誕生日でしたっけ…と戸惑っているとその歌は俺に向けてだった。

「えっ、あっ…俺マジで自分の誕生日忘れてたわ!ありがとうございます〜!」
「ほんとなんか気づいててこんなに落ち着いてるのかと思ってたら、忘れてただけって言うね」
「俺たちの焦り返して欲しいわ〜」

そうして周りでどっと笑いが起こる。本当にAの出張に気を取られすぎていて記憶からすっかり抜け落ちていた。なんだったら誕生日プレゼントとかどうでもいいからAに会わせてくれと思うくらいには。でも祝ってもらうのは何歳になっても嬉しいもので、目の前に差し出されたロウソクのついたケーキに頬が緩む。


そんなこんなで自分たちの本番を終え控え室で座っていると気づいたら広すぎる控え室に俺しかいなくなっていた。まぁすぐに戻ってくるだろうと思い待っているといきなり部屋の電気を消される。

「うぉ、びっくりした…いきなり消す」
「稜雅にプレゼント連れてきた!!」

俺の言葉を遮って祐基が大きな声でそう言うとすぐあっやべっ、と言って持ってきた!と言い直した。プレゼント連れてくるってなんだよ、と心のなかで突っ込みながらも手を広げてて!と佑亮に言われたので大人しく従って待っている。顔面パイでもされんのかな、と思っていると誰かが勢いよく飛び込んできた。咄嗟のことに思わず倒れかけるがなんとか踏ん張って耐えた。ん?この感じは……

「A?」
「せいかーい!」

メンバーとAが口を揃えて言った。電気がつけられると本当にAが俺に抱きついていた。そっくりさんじゃないよね?夢じゃないよね?

「稜ちゃん2週間お待たせ。ただいま!」
「……うーわ、まじか。まじか。」

Aは1度離れて笑顔で言うとまたぎゅっと俺に抱きついた。必死に平然を装ってにやけまいとするけどそんな抵抗も虚しく顔はにやけるままだった。

「はいはい、邪魔者は退散しますんで」
「ごゆっくり〜!!」

メンバー揃って満面の笑みで控え室から出ていく。バタンと扉を閉められると一瞬部屋は静まり返り、Aと顔を見合わせて笑った。

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設定タグ:超特急 , 短編   
作品ジャンル:恋愛
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なるせ(プロフ) - すけさん» ありがとうございます(;;)励みになります! (2018年10月4日 22時) (レス) id: a45752a8c7 (このIDを非表示/違反報告)
すけ - 全部面白いです!! 更新待ってます!! (2018年10月3日 21時) (レス) id: 315a3c6654 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なるせ | 作成日時:2018年8月25日 5時

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