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「これは……張り切りすぎかな……」
ワンピースを着て、いつもより可愛いメイクをして、髪の毛をセットする。ピンク系の化粧なんて久々に使ったなぁと思いながら鏡の前で何度も自分の姿を確認する。祐基がリビングから
「A〜、まだ〜!?」
とごねる声が聞こえるので半ばやけくそになりながらもリビングへ向かう。
「お待たせ、行こっか。」
顔だけリビングのドアから覗かせると祐基は横になってた姿勢からすぐに立ち上がり、笑顔で頷いた。玄関で靴をはいて待っていると廊下に出てきた祐基が玄関で固まっている。やっぱまずかったかな?なんだか恥ずかしくなってきて、早く行こ!と言って外へ出た。
「その服、この前買ったやつ?」
「へ?そ、そうだよ?」
「…めちゃくちゃ可愛い」
「だよね、この服可愛いよね」
「じゃなくて、Aが!可愛いの!」
そう言うと自然に私の手を取って歩き始める。顔に熱が集まるのが分かるけど、祐基の耳も赤くなっているのがわかって自然と笑いがこぼれた。
週末って言うだけでどうしてこんなに混むんだろう、と言わんばかりにやはり電車やお店は混んでいた。いつもより着慣れない服を着ているせいか、すごく周りの目が気になる。やっぱ似合ってなかった?でも祐基がカッコイイから、見られてるのかもしれない。
「な〜に考えてんの?」
「え、何も考えてないよ!ほら、早く食べよ?」
「ねぇ〜それさっき俺も言ったんですけど〜」
「ごめんごめん……ん、おいしい!」
「うわっ、うまっ!やばいねこれ!!」
いちごミルクのかき氷をぱくぱくと食べ進めていく祐基。その他にもパンケーキとか、いろいろ頼んでるけど祐基そんなに食べるのかなぁと思いながら自分のかき氷を食べていく。あっという間にどれも平らげてしまい、まだどこかで買い物していく?と聞いたけどなんだか真面目な顔をして帰ろっか、と言われてしまった。
家に着くとソファで一息つく。でもワンピースがシワになるのも嫌だなぁと思って着替えてくるね、と言うといきなり手首を掴まれ抱きしめられた。
「はぁ、今日のA可愛すぎるんだけど。」
「……祐基?」
「ワンピース、もしかして俺のために買ってくれた?」
「え、い…いや、そうじゃな」
「雑誌開いてあるの見ちゃった」
バレてる!バレてるバレてる!一気に鼓動が早くなる。恥ずかしいにも程がある。たまたまを装ったつもりだったのに、こんな所でドジをしてしまうとは。
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なるせ(プロフ) - すけさん» ありがとうございます(;;)励みになります! (2018年10月4日 22時) (レス) id: a45752a8c7 (このIDを非表示/違反報告)
すけ - 全部面白いです!! 更新待ってます!! (2018年10月3日 21時) (レス) id: 315a3c6654 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なるせ | 作成日時:2018年8月25日 5時