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「お待たせ」
「ありがとう。運ぶの手伝うで。」
「ん、これお願い。」
「おん」

テーブルに運ぶのをすかさず手伝ってくれる。結局いつもと代わり映えのないような晩御飯になってしまったなぁ。ケーキもあるから、量はちょっと少なめだったりするけれども。

「いただきます」
「はーい、召し上がれ」


ニコニコしながら手を合わせて、ぱくぱくと口に料理を運んでいく。ハムスターみたいにほっぺをパンパンにして食べる姿に自然と頬が緩む。やっぱ美味いなぁ!と喜びながら食べる太陽に、これで1歳また歳をとったことを実感できないなぁと思う。どこまでも可愛い彼氏だなぁ。




ご飯も食べ終わりお腹も落ち着いてきた頃、テレビを見ていた太陽にケーキを持っていく。洗い物をしている私のことをさっきからチラチラ見ていたし、まだ今日は誕生日おめでとうとも言ってないからきっと気になってたんだろうなと思う。バースデーソングを口ずさみながら数字がかたどってあるロウソクがついた小さなホールケーキを太陽の前に差し出す。そうすると太陽は待ってましたと言わんばかりの笑顔でロウソクの火を消すとありがとう、と言った。

「今日は何も無いと思ってた?」
「正直めっちゃ期待してたけど、あまりにもAが普通やから何もないんかとおもってた」
「あ、そんなこと言う子にはケーキありませ〜ん」
「えぇ、ごめんて!」
「皆にも祝ってもらったんでしょ?」
「おん、プレゼントも貰ったんよ。ホンマ嬉しいしありがたいわ。」

そう言いながらメンバーに貰ったプレゼントを嬉しそうに私に見せてくれる。みんなに祝ってもらった写真も見せてくれて、本当に愛されてるんだなと実感する。そうすると太陽がAからのプレゼントは?とも言いたげなキラキラした目でこちらを見つめているのに気づいてしまった。と、いうか気づかざるを得ないんだけど。

これだけ数時間前の寝落ちした私を恨んだことは無い。だって手元に渡せるプレゼントが何一つないんだもん。ここはもう正直に、言ってしまおう。

「あ、あのね…太陽、プレゼントなんですけど……」
「おん」
「えーっとね?その、今年は何が欲しいかなーって……あの、敢えて今年は聞いてみようかな、なんて…」

沈黙。こういうときに買い損ないました!ごめんなさい!くらい言えればよかったかもしれない。太陽はなんだか真顔になってしまったし、何かを考え始めてしまった。しまいには急に凄く真面目な顔をして、私の手を取った。

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設定タグ:超特急 , 短編   
作品ジャンル:恋愛
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なるせ(プロフ) - すけさん» ありがとうございます(;;)励みになります! (2018年10月4日 22時) (レス) id: a45752a8c7 (このIDを非表示/違反報告)
すけ - 全部面白いです!! 更新待ってます!! (2018年10月3日 21時) (レス) id: 315a3c6654 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なるせ | 作成日時:2018年8月25日 5時

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