【ハーツラビュル寮・リドル】-早く泣き止んで-※一人称 ページ26
リドルside
放課後、ボクが鏡舎に向かって歩いていると焦った様子のグリムを見かけた。
いつも一緒にいるAはどこにもいない。
「あ！ リドル！ ちょうど良かったんだゾ！」
ボクの姿を捉えたグリムは、ものすごい勢いで迫ってきた。
「え？ ちょっと何があったというんだい！？ って、グリム！」
グリムは急かすようにボクの足を後ろから押す。
これは只事ではなさそうだ。
「分かったから、ちゃんと説明してくれるかい？」
「Aが変なヤツらに絡まれてっ！ こっちなんだゾ！」
そう言って走り出したグリム。
変なヤツ？ 不良じゃないのか？
疑問を抱えたままボクはグリムの後を追う。
そして辿り着いたのは中庭。
「なっ！！？」
ボクの目に飛び込んできたのは正しく“変なヤツら”だった。
人型でモヤがかかったような怪物にAが囲まれている。
「彼女に手を出したのは重大なルール違反だ……即刻、退場してもらおう！！」
マジカルペンを取り出してボクは怪物に、炎の魔法を浴びせる。
怪物たちは下卑た叫びをあげながら消えていった。
微かに魔法薬の匂いがする。
生徒のイタズラか？
って、そんなことを考えている暇はなさそうだ。
「A！ 大丈夫かい！？ えっ……」
その場にへたり込む彼女の顔を見ると、閉じている目尻から涙が止めどなく溢れている。
「A、大丈夫なのか？」
グリムは心配そうに、彼女の膝へ手を当てる。
「リドル先輩に、グリム？」
「うん、そうだよ。少しジッとしてて」
催涙効果のある魔法がかけられている。
これを解くには確か……。
「ストップティアーズ・フロム・ユア・アイズ」
そう詠唱すると彼女の目から涙は止まる。
「目を開けてごらん」
ボクの言う通り、彼女は少しずつ目を開ける。
「これ、何本に見える？」
「3本……」
「異常はないみたいだけど、念のため医務室に行こうか」
ボクは彼女を横抱きにすると歩き出す。
「グリムは学園長にこのことを伝えてくれるかい？」
「分かったんだゾ！」
そう言って学園長室へと急ぐグリム。
「あの、ありがとうございます……」
「構わないよ。当然のことをしたまでだ」
そう……ボクの大切な子に手を出す輩なんて、ああなって当然だよ。
-fin-
【サバナクロー寮・レオナ&オクタヴィネル寮・アズール】-僕から何も取らないで-※一人称(リクエスト作品)→←☆【ハーツラビュル寮・デュース】-こんなにツラいだなんて知らなかった-※一人称
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Licht-リヒト-(プロフ) - いちご庭園さん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません！ 応援、そして私の作品を好きと言ってくださってありがとうございます！！ とても嬉しいですし、励みになります！ 今後もよろしくお願いします！ (2021年7月4日 22時) (
レス) id: 2db1a0a3f4 (このIDを非表示/違反報告)
いちご庭園 - 夢に向かって頑張ってください！作品好きです！ (2021年7月3日 22時) (レス) id: 26f1e978d7 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - Licht-リヒト-さん» 私の自業自得で貴方にも迷惑させて、誠に申し訳ありません。 (2021年4月17日 9時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
Licht-リヒト-(プロフ) - 星猫さん» なるほど。お気になさらないでください。 (2021年4月16日 16時) (レス) id: 06cdff307d (このIDを非表示/違反報告)
Licht-リヒト-(プロフ) - 華衂??暁さん» 返信がだいぶ遅れてしまい、申し訳ありません。私の書いた作品を読んで頂けたこと、そして応援もして頂いて、ありがとうございます！ いつの日にか更新を再開しようと思っていますので、その時はまた読んで頂けると嬉しいです！ (2021年4月16日 16時) (レス) id: 06cdff307d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Licht-リヒト- | 作成日時：2020年10月14日 13時
