☆【ハーツラビュル寮・デュース】-こんなにツラいだなんて知らなかった-※一人称 ページ25
※夢主さまとデュースは恋人同士。
デュースside
広い花畑に僕は立ち尽くしていた。
ここは、どこだ？
さっきまで僕はオンボロ寮でAと一緒に寝ていたはず。
「デュース」
名前を呼ばれた方に目を向けるとAが立っていた。
なんだ、お前もいたのか……。
「愛してる……」
急に言われると照れるな。
「じゃあね」
え？
寂しそうに微笑んだAは僕に背を向けて歩き出す。
待ってくれ！
引き止めたいのに、声が出ない。
追いかけたいのに、動けない。
待って、行くな！
そっちに行くな！
「A！！」
ガバっと僕はベッドから起き上がる。
な、んだ……。
ここはオンボロ寮じゃないか。
良かった、さっきのは夢か……。
「え……」
僕は隣にいるはずのAを見た。
だがそこに……彼女の姿はなかった。
嫌な予感が、脳裏をよぎる。
あんなのは、ただの、夢だ。
そうだろ？
そうだよな……？
-ｺﾝｺﾝｯ
不意に誰かが玄関の扉をノックする。
スマホを見るとまだ夜中の3時だ。
僕は階段を降りて、玄関へと向かう。
おかしい。
Aの気配がしない。
「はい」
扉を開くと、ローズハート寮長が立っていた。
その顔はひどくやつれていて……とても脆かった。
「口止めされていたんだけれど、一番に伝えなければいけないと思って。全く彼女も、なんでボクなんかに頼むんだろうね」
俺にはこの人の言っていることが理解できなかった。
「あの、何を言って──」
なぜか、言葉が詰まった。
知らず知らずのうちに涙が溢れて止まらない。
「うっ、ぐっ……なんで、ううっ」
夢で僕に別れを告げたA。
隣にいなかったA。
「寮長っ」
「なんだい？」
「Aはっ、元の世界に……帰ったんですかっ」
「ああ……この手紙を託されたよ。キミ宛てにね」
そう言って寮長は俺に手紙を差し出す。
「こんなのあっても、あいつが帰ってくるわけじゃない！」
俺は寮長の手を、手紙ごと振り払った。
「デュース。彼女も同じことを言っていた、でも──」
「うるさいっ！ うるさいうるさい！」
俺は近くにあった壁を思い切り殴る。
それをきっかけにランプや椅子、談話室に繋がる扉を破壊していく。
もう優等生なんて、どうでもいい。
「やめないかデュース！ 暴れても何を壊しても……っ。Aは戻ってこないのだから！！」
寮長の悲痛な叫びが胸に響き渡る。
誰かを愛するのがこんなにツラいなんて……。
知らなかった。-fin-
【ハーツラビュル寮・リドル】-早く泣き止んで-※一人称→←【スカラビア寮×オクタヴィネル寮】-空か海か-※三人称(リクエスト作品)
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Licht-リヒト-(プロフ) - いちご庭園さん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません！ 応援、そして私の作品を好きと言ってくださってありがとうございます！！ とても嬉しいですし、励みになります！ 今後もよろしくお願いします！ (2021年7月4日 22時) (
レス) id: 2db1a0a3f4 (このIDを非表示/違反報告)
いちご庭園 - 夢に向かって頑張ってください！作品好きです！ (2021年7月3日 22時) (レス) id: 26f1e978d7 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - Licht-リヒト-さん» 私の自業自得で貴方にも迷惑させて、誠に申し訳ありません。 (2021年4月17日 9時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
Licht-リヒト-(プロフ) - 星猫さん» なるほど。お気になさらないでください。 (2021年4月16日 16時) (レス) id: 06cdff307d (このIDを非表示/違反報告)
Licht-リヒト-(プロフ) - 華衂??暁さん» 返信がだいぶ遅れてしまい、申し訳ありません。私の書いた作品を読んで頂けたこと、そして応援もして頂いて、ありがとうございます！ いつの日にか更新を再開しようと思っていますので、その時はまた読んで頂けると嬉しいです！ (2021年4月16日 16時) (レス) id: 06cdff307d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Licht-リヒト- | 作成日時：2020年10月14日 13時
