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【ハーツラビュル寮・リドル】-林檎のタルトをキミに-※一人称(リクエスト作品) ページ30

リドルside

ボクは彼女と交流を深める内に、この気持ちに気付いてしまった。

ずっと勉強ばかりのボクにとって監督生は初恋だった。

彼女の事を名前で呼びたい気持ちもあるけど……気恥ずかしくて監督生と呼んでしまう。

そんなある日の事だ。

エースと彼女が付き合っている事をボクは知った。

「おめでとう」

幸せそうな二人を見て、ボクは祝福の言葉を送った。

しかし内心は焦りや嫉妬。

ドロドロとした感情がボクを包んだ。

そして……ボクの中で全てが壊れた。

「リドル。それ、本気で言ってるの?」

「はい」

ボクはヴィル先輩の元を訪れ、ある頼みごとをした。

最初、彼は拒否していたが諦めずに交渉していたら承諾してくれた。

これがあれば……彼女は、ボクの。

「リドル先輩。お話って何でしょうか?」

話があると彼女を呼べば、何も疑う事なくボクの部屋に訪れた。

もう少し警戒心を持った方が良いんじゃないかい?

まぁボクには好都合だけど。

「うん。実はヴィル先輩から林檎を分けてもらったんだ、どうやらエペルの実家から送られてきたらしくてね。それでタルトを作ってみたんだ」

ボクがそう説明すると彼女は納得したような声を漏らす。

「すごい! これリドル先輩が作ったんですか!?」

幼子のように目をキラキラと輝かせる彼女をひどく愛おしいと感じる。

「うん。良かったら、食べてみてくれるかい?」

「もちろんです! いただきます……ぁ」

何の疑いもなくタルトを口にした彼女。

初めは美味しかったのか、頬を綻ばせたけれど……すぐに気を失ってしまった。

ボクはそんな彼女の体を支える。

「ヴィル先輩の名前が出た時点で、警戒するべきだよ。彼は毒を作る事に長けているんだからね」

そう、ボクがヴィル先輩に頼んだ事。

それは……毒林檎を作って欲しいと言う物だった。

永遠に目覚めない毒を、彼女は自らの意志で体内に取り込んだのだ。

自分でも歪んでいると思う。

でも全てはキミを愛しているからこそだよ。

「ねぇ、ボクは間違ってないよね? A……スキダヨ」

二度と目覚めない彼女の唇に……ボクは口付けを落とした。-fin-

【ハーツラビュル寮・エース】-ハートの兵士-※三人称→←【スカラビア寮&サバナクロー寮・レオナ】-王族-※三人称(リクエスト作品)



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Licht-リヒト-(プロフ) - ハイドさん» いえいえ! ご希望に応えられたようで安心しました! 「カリムって大切な人が傷つけられている場面を見ると、人格変わりそう……」と実際は分からないんですけど、そうだったら良いなぁと思いながら書いていました! リクエストありがとうございます! (2020年10月14日 13時) (レス) id: dfd8bd8685 (このIDを非表示/違反報告)
Licht-リヒト-(プロフ) - ミリアさん» 出来ました! こんな感じで大丈夫だったでしょうか? (2020年10月14日 13時) (レス) id: dfd8bd8685 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - リクはトレイでお願いします。 (2020年10月13日 13時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
ハイド - Licht-リヒト-さん» リクエストに応えて頂き、ありがとうございます!あかん、スカラビア組で一番怒らせちゃいけないの、カリムだあ…ジャミルも怒らせちゃいけないんだけど(ガクブル (2020年10月13日 9時) (レス) id: c3c1291a5b (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 凄く良いですね。 (2020年10月12日 20時) (レス) id: dba8a79b51 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Licht-リヒト- | 作成日時:2020年9月10日 18時

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