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「お目覚めですか?」
返事をする間もなく、1人の男が入ってくる…
「…え?アレ?翔くん?なんで?」
「ははは……
サトシ王子、いかがなされました?
その様に親しげにお呼びいただけるのは
光栄ではありますが…」
「え?ちょっと待って…王子?
何いってんの?ふざけんてんの?
え?これドッキリかなんか?」
「………」
おもむろにおれのおでこに手を当てる翔くん。
「…ふむ……熱はなさそうですね。
何か変わった夢でもご覧になりましたか?」
「いや…別に見てないと思う、けど…
ていうか、これなんなの?
おれが王子ってマジでナニ?ふざけてんの?
つーか、ここドコなんだよ?」
「…王子こそ、悪ふざけはおやめ下さい。
遊んでいる暇はありませんよ?」
「ふざけてんのはそっちだろ!?
なんだよ、さっきから王子、王子って!
おれは王子なんかじゃねぇ!!」
ちょっとイラついて
おもむろにベッドからおりて目の前に立つ。
だいたいなんなんだよ!そのふざけたかっこ!!
そっちのぴちぴちパンツの方がふざけてんだろ!
腰に剣まで刺してやがって…
自分のがよっぽど"王子様"じゃねーか!
「……では、あなたがサトシ王子ではないとすると
あなたは一体…?」
「はぁ?ナニ?マジでふざけんなよ。
おれはただの智だろ!」
「…タダノサトシ?」
「いや、そうじゃなくて!
だからただの大野智だろって!
しらばっくれんな!」
「タダノ?オーノ?サトシ?ふーむ…」
そういうとおれの周りを回りながら
人差し指を唇に当てつつ
ジロジロと上から下までなめる様に見る
翔、くん…?
「ふーむ…実に興味深い話です。
あなたがサトシ王子ではないとするなら……
ハッ!まさかっ!?」
「あっ!ちょっと!!
まさかってなんだよ!?
オイ!!どこ行くんだよ!?
おい!!!」
突然、部屋を飛び出した翔くん…じゃないのかあの人?
マジかよっ!?
あーもう、メンドくせぇな!!
ニセ翔くんでいいか!?
…の後を、おれも追って行った。
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