幸ひすむと人のいふ…☆ (ページ11)

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うふふ…

あれがウワサに名高いサトシ王子……

なんだか噂と違って

ウブそうな感じだったけど

アレもあの王子の手なのかしら？

近隣諸国の姫君達の間で

サトシ王子のことを知らない者はない。

美しく凛々しい顔立ちに

鍛え上げられた身体…(見たことないけど)

病弱な国王に代わって国政を取り仕切り

政治、軍事、いずれにおいても的確な判断を下し

この国を強国へと導いてきた真の権力者。

もちろん、色恋沙汰にも事欠かない。

誰もが一夜だけでもいいから

王子の閨のお供をしたいと恋い焦がれている…

。。。ま、そんなとこかしらね？

でも、私と結婚したらそうはいきませんわ！

ウフフ♪

｢ようこそ我が国へ、カズ王女。
貴女様のお越しを、我々一同
今か今かと心待ちにしておりました。｣

そう言って恭しく跪き、私の手を取るのは

この国きってのキレ者と言われる若き宰相。

この人も、近隣諸国で知らぬ者はないと言われる人物。

王の絶大な信頼を受け

サトシ王子の右腕としての辣腕ぶりは

ことに有名。

今の落ち着いた物腰からは想像できないけれど

キレると手に負えない…という逸話も持つらしい

いろんな意味でのキレ者なんだとか。

そしてまた、その美貌も……

でも、サトシ王子と違い、色恋の噂を全く聞かない。

密かに囲ってる方でもいらっしゃるのかしら？

それとも女性に興味が無い…とか？

あ、そういうこと……？

キャッ、私ったら…//

｢…どうかなさいましたか？｣

｢いえ…私もこの日を楽しみにしていました。
これから、この国のことをいろいろと教えて下さいな。｣

思わずジッと見入っていたのを

不審がられてしまった。

｢王子とは、明日のご婚礼当日まで
お会いになることはできませんが…｣

｢ええ、知っています。｣

｢ではまず、国王陛下にお目通りを…｣

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