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「あっ…私としたことが失礼いたしました。
改めてご挨拶させていただきます。
はじめまして。
私、セグンデシュライン国より参りました
カズと申します。」
ドレスの横をつまむように持ち上げて優雅に挨拶する。
おぉ!いかにもお姫様っぽい!!
そんでもってスゲーかわいい!!
けど…うーん…でもなんか…
やっぱフクザツ……
「ああ、はじめまして…
サトシ、です…
…そんでキミはココで何を?」
「あの…先ほど国王陛下にお会いした際に
庭の散策を勧められたので、それで…」
「ひとりで?お供なしで?」
「ええ、ひとりの方が気楽ですから。
それにこのお城のセキュリティは完璧だと聞いております。
王子はよくココでお昼寝を?」
「え?おれ?!
まあ〜そうね、よくっていうか…時々?たまたま?」
「でもさすが噂に名高いサトシ王子ですね。
ミラクルストーンの上でお昼寝だなんて。」
「ミラクルストーン?!」
「ええ、先ほど陛下に教えていただいたので見に来たら
王子が寝ていらっしゃって…
ホントにビックリしました!」
口元に手をやって
クスクスと楽しそうに笑う仕草は
本当にニノそっくりで…
おれはまたどうしていいかわかんなくなって
ドギマギしてしまう。
「本当は挙式まで会ってはいけないのに
こんなところでお会いするなんて
ミラクルストーンのお導きでしょうか?
運命を感じてしまいます。
あら…?」
いきなりニノが…じゃなくて王女が
おれの首筋に手を伸ばしてきた。
「えっっ!?」
突然のことにビックリして
思わず体が後ずさる…
「あ、ごめんなさい…葉っぱがついていたので…」
「あ…ああ〜そう、葉っぱね!ありがとう!!
でも、おれそーゆーの大丈夫だから
全然気にしないから!!あはは……」
ドギマギがさらに輪をかけてひどくなる。
それを誤魔化すようにいつものクセで鼻をさわる…
「そうですか…?
まあ…王子の手…なんて美しい…」
「え?!あっ、ナニ?!」
鼻をさわってたのと反対のおれの手をとる!
いきなりだから思わず手をひっこめそうになったけど
今度はなんとかふんばった!
ガマンしたぞ、おれ!!
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