弐・最強がいなくなった世界

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｢…そっか、そういうことか｣


自発的に瞼を開ける。

全てが繋がった気がした。

100年先。10年前と言っていた五条くんと同い年、18歳。そこからカウントして100年だとすれば、今世に生まれ落ちても、私は呪いから離れられない。

私は五条くんに呪われてたんだ。本当の本当に、冗談でもなんでもなく、彼は、私を呪いで縛っていた。

だから、私だけが記憶も呪力も持っている。


前世は術師をやりながらも無理は五条くんに止められていたし、お酒もタバコもかなり控えた。というか、タバコに関しては吸ったことがない。そんな私はアホらしく大往生だった。他のどんな術師よりも長生きをして死んだ。

そして今世に生まれて、残ったノルマは29年。

私が、寿命分の呪力の器を前借りした(・・・・・・・・・・・・・・)のも29歳まで。


どこまでも、運命的で残酷に、君は私を。




｢着きましたよ、Aさん｣


｢…ありがとうございます｣





ねえ五条くん。君はほんとに、術師が天職だよ。まさか来世まで呪われるなんて思ってもいなかった。

そのお返しと言ってはなんだけど、今世の君にはちゃんと平和な世界にいてもらうよ。


だから、私が29歳を終え、死ぬ時には


｢(君に看取ってもらいたいな)｣


少し、欲張りすぎただろうか。

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