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「そういえば、なんで絵を始めたの？」
ずっと聞いてなかった事を初めて口にした
「多分……おばあちゃんの影響かな？」
「多分？」
「私ね、18歳までの記憶が断片的なの。
幼少期とか学校の思い出とか全然分からなくて」
Aは鉛筆を走らせながら続けた
「お母さんが死んじゃってからの記憶あまりなくて、おばあちゃんがよく一緒にいてくれたんだと
思うけど、明確じゃなくて…」
「じゃあ、渉は？」
「わたるくんも実は鮮明に覚えてるわけじゃないの。所々、記憶飛んでて、前に久しぶりに会えた時、
話噛み合わなくって…」
へへって悲しそうに笑いながら
ペンのはしる速度がだんだん遅くなっていった
「悲しい顔、されちゃったんだ…」
ペンが止まって、両手を強く握りしめてた
「どうして、記憶がないのか、分からないの……。
事故にあった形跡もないって。
突発性のものだって、当時言われて……」
強く握りしめすぎて、手が震え始めていた
「時々、怖くなるの。
また、突然記憶無くしちゃったらどうしようって…。
太輔くんのこと、
忘れちゃったらどうしようって……」
いつから、そんなに不安がっていたんだろう
俺の知らないところで泣いていたのかな
「ごめん。ナイーブになっちゃったね！
さっ続き続き！」
涙を零すことなく
口角を上げてまた鉛筆を走り始めた
そんな姿を見てられなくて
優しく包み込むように抱きしめた
「…太輔くん？」
「もし、不安になったら
こうやって抱きしめてあげる」
「え？」
「もし、Aが俺の記憶を無くしても
俺が絶対思い出させてあげるから。
余すことなく、全部思い出させてあげるから。
安心して？」
俺の腕の中で頷き
鉛筆を握った手が背中に回ってきた
しばらくすると鼻のすする音が聞こえてきて
どれほどの不安を和らいであげられるのか
分からないけど
少しでも抱えてるものが軽くなればいい
誕生日の日にAの過去を聞いてから
ずっと思ってた
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よこざわ(プロフ) - ソフィアさん» お返事遅れてしまい申し訳ございません汗 そしてまた更新が1ヶ月以上経ってしまいほんとにごめんなさい涙 コメント本当に嬉しいですありがとうございます！引き続き「僕のペイント」よろしくお願いします(^^) (2019年1月7日 17時) (
レス) id: 424d772f8e (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - ソフィアと申します。続き読めて嬉しいです。 (2018年10月21日 7時) (レス) id: 150cb2cc61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よこざわ | 作成日時：2018年4月22日 23時
