僕のペイント 2

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「もう！どうして言ってくれなかったの！？」



「だって、Aひきこもってたから。」



「そうゆう大事なことちゃんと言って欲しかった！」



「ごめんごめん。そんな怒んなって」









あれから1ヶ月









Aの敬語もやっと取れ



太輔くん呼びも安定してきた頃







Aが初めて俺に怒った









それは、俺の誕生日がとっくに過ぎていたことを



俺からではなく最近三津谷さんに教えてもらった

ネット検索で知ったということ









「…ほんとにこんなのでいいの？」



「こら。自分の才能にこんなのとか言わないの」









三津谷さんから芸能人へのプレゼントなんて


あんたの財力で買えるわけないと怒られたらしい








そういったことを素直に話してくれて







俺に直接聞いてきちゃうところが




Aなんだよなってしみじみ思う









気持ちだけで充分だよって言っても





誕生日に祝ってもらったから、ちゃんと私も祝いたい


って言ってくれて








もう1ヶ月以上前のことなのに





自分の誕生日が凄く嬉しく思えた









「絵、描いてよ。俺の絵」









その一言で



初めて家に呼ぶ約束を取り付けられたのが





つい3日前のことだ









「お邪魔します」


「どうぞ。ゆっくりして？」








いつも持ち歩いてる絵の具のセットを抱えて







「うわあ。広い！」








目を輝かせながらリビングを見渡す









「…これ」


「あ、うん。それ、初めてAが俺にくれた絵」








あの日、初めて話した日




貰った絵が凄く綺麗で






もっとクシャクシャにならないように



額に入れて本棚の上に飾った







「その絵、すごく好きでさ。
貰ってすぐ汚れないようにフレーム買いに行った」



「ありがとう。大切にしてくれて」







俺にはにかむ笑顔は何度見ても胸を高鳴らせる








「俺、どうしてればいい？」


「リラックスしてくれればいいよ」









最近撮った映画のヒロインも絵を描く女の子で






撮影中


Aもこんな感じなのかなって思ってたけど







いつもスケッチブックに書いてる姿しか

見てなかったから







キャンパスに向かって描く姿が



すげえ新鮮でかっこよかった







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