ペイント 72 ページ23
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あれからすぐ家に帰って
久々に隅から隅まで掃除をした
なるべく早くこの気持ちを忘れるために
何かしてないと無意識に思い出してしまいそうで
でも忘れるって決めた数時間後に
'今からお会いできませんか?'
約1ヶ月半ぶりの彼女からの連絡に
数秒で反応してしまった
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'もし大丈夫でしたら'
'ピンタのところで待ってます'
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全ての連絡を秒で反応させ
"分かった"
とだけ返して直ぐに家を出た
忘れるって決めたはずなのに
数時間前の決意はもう頭から抜けていて
ただ今は会いたいと
それだけを思って走った
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「.......いた」
閉園時間を過ぎた午後6時を指す時計台の下
街灯に照らされた彼女は
最後に会った時から少し髪が伸びていた
「A」
「藤ヶ谷さん。お久しぶりです。
すみません突然連絡してしまって」
「いや、ちょうどオフだったし。大丈夫だよ」
少し痩せた?
ちゃんと食べてる?
俺と会わなかったら1ヶ月半何してたの?
聞きたいことがたくさんあるけど
Aから会いたいなんて
連絡が来るのは初めてだったから
今はこの嬉しい気持ちの余韻に浸っていたかった
「あの.......ごめんなさい。
私、食事に連れて行ってもらった日から
ぜんぜん連絡しなくて.......」
「知ってる。聞いたよ川上さんから」
でも嬉しい気持ちと裏腹に
戸惑いの音が心臓から感じるのが分かった
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"藤ヶ谷の目は水晶玉みたいだな"
いつか誰かに言われたことがある
幼い頃見たアニメで
魔法使いのおばあさんが手をかざすと光った
あの水晶玉のように
俺の目をみると未来を見据えられそうで怖いって
肯定的にいうと感が鋭くて
否定的にいうと計算高い
せっかくのサプライズもすぐに見抜いてしまうし
リアクションが取りずらくて
つまらない男だと思われやすい
そんな自分が時に嫌になる時がある
だって今だってそうだろ?
この後Aから聞かされる言葉を
予測してしまったんだ
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よこざわ(プロフ) - ソフィアさん» お返事遅れてしまい申し訳ございません汗 そしてまた更新が1ヶ月以上経ってしまいほんとにごめんなさい涙 コメント本当に嬉しいですありがとうございます!引き続き「僕のペイント」よろしくお願いします(^^) (2019年1月7日 17時) (レス) id: 424d772f8e (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - ソフィアと申します。続き読めて嬉しいです。 (2018年10月21日 7時) (レス) id: 150cb2cc61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よこざわ | 作成日時:2018年4月22日 23時