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.






「映画にイノシシなんか出てこないよ」



「え?」






コーヒーを1口飲み私を見てそういった







.





「本当はよく覚えてないんでしょ?映画の内容」


「.......うん」


「どう思った?映画見て」






.








ココアの氷がカランッとまた音をたてる







「遠い.......人なんだなって.......思った」



「それで?」



「見に来てたお客さん達が....

...藤ヶ谷さんのこと沢山褒めてた」



「それで?」



「スクリーンの中でキラキラしてた」



「それで?」








「.......ぃたくなった.......」



「.......え?」



「会いたくなった.......でも.......」



「でも?」




「痛いの。藤ヶ谷さんに会うとここが苦しくなって

すごく痛くなるの。発作の時の痛みと違って。

ギュッってなってズキズキって.......

でも.......会いたい......」









キラキラしてて私なんかが関わっちゃいけないほど




遠い人だって思った







「会ってどうするの?」



「会って.......それで.......」



「もう会いませんって言うの?」








.







"もう会わない"








.








前にアコちゃんに言われたその選択が





私の脳裏をよぎる






.






「ねえ、その痛みどんな病気か知ってる?」



「.......え?」



「知りたい?」








そうアコちゃんに問われ頷いた





「じゃあ一つだけ聞かせて」



「.......うん」




「もしAに病気があることを知って

この先が短いってなった時

それでも一緒にいさせてほしいって言われたら

喜んで受け入れる?」





「.......え?」



「受け入れる?」








うんと頷くことも





いやだと首を振ることも出来なかった








.








「藤ヶ谷太輔の時間を貰うってことだよ」









"時間を貰う"








それは残り少ない時間しかない私のために




時間を割いてもらうって意味で





その時間がこの先の彼の人生に必要かと思えば






答えは1つ





.







不意に泣きそうになり





数分前に届いたココアを口にして誤魔化した








「ちゃんと蹴りつけな」







そう言ったアコちゃんは




テーブルに置かれた伝票をもって




私に一言いって店を後にした









.








「その痛み.......恋っていう病気なんだよ」







.









口にしたココアはまるで




私の涙を拾い集めたかのように








.







溶けた氷と沈殿していた





.

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設定タグ:キスマイ , 藤ヶ谷太輔 , 横尾渉   
作品ジャンル:恋愛
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よこざわ(プロフ) - ソフィアさん» お返事遅れてしまい申し訳ございません汗 そしてまた更新が1ヶ月以上経ってしまいほんとにごめんなさい涙 コメント本当に嬉しいですありがとうございます!引き続き「僕のペイント」よろしくお願いします(^^) (2019年1月7日 17時) (レス) id: 424d772f8e (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - ソフィアと申します。続き読めて嬉しいです。 (2018年10月21日 7時) (レス) id: 150cb2cc61 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:よこざわ | 作成日時:2018年4月22日 23時

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