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それから何日かしてまたあの公園へ行った
そして今日もあのキリンの前で
彼女はペンを走らせていた
「こんにちは。」
「あ、こんにちは。」
「今日もここで書いてるんですね。」
「あ、私ほとんど毎日ここにいるので……。」
「あ、そうなんだ……。この間は絵、ありがとうございました。これ、良かったらお礼に……。」
「え！？ここのプリンぜんぜん手に入らないんですよ！私プリン大好きなんです！」
「ほんとに！？良かった〜！喜んで貰えて。」
「ありがとうございます！あの、早速食べてもいいですか？よろしかったら一緒に……。」
「え？じゃあお言葉に甘えて(笑)」
そして俺らはいろんな話をした
彼女は隣町の美術大学に通っていること
その大学寮が近くにあり、そこに住んでいること
今は卒業単位を取り終えたからここに毎日通っていること
そして
「立原Aです。」
彼女の名前が
立原Aってこと
そして
「え？2年も？」
「はい。ほんと、バカみたいですよね(笑)彼は私のことなんて忘れてるかもしれないのに。」
彼女が毎日ここに通うのは
昔、兄のようにしたってくれた人に会えるかもしれないという奇跡を信じているからということ
そして
「ピンタっていう名前も彼と一緒につけたんです。」
「ピンタ？」
「あ、この子の名前です。」
彼女の視線の先に映るこのキリンの名前が
ピンタだということ
「なんか……。ペンギンみたいな名前……(笑)」
「彼も同じこと言ってました(笑)でもいいんじゃないかって。また会えたら、きっといい目印になるって。すぐ分かるように、私たちの目印。」
そう言ってキリンに微笑んだ
胸がキリッと痛んだ
きっとその人に恋してんだなって
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作者名：よこざわ | 作成日時：2018年1月26日 23時
