ペイント 35 ページ35
.
.
「あ、やっべー」
携帯打ち合わせ室に忘れてきた
「今から取りいけば間に合うか」
今日は映画の打ち上げ会だから
少し早めに抜けさせてもらった
.
.
「あ、渉さ俺の携帯見なかった？」
「……え？あ、ああここに置いてあったよ」
「わりぃサンキュ」
ギリギリになるって
プロデューサーさんに連絡入れとかないと
「あれ？渉、俺の携帯に電話来てたの？」
「あ、わりぃ。公衆電話だったから
コンビニかどっかで太輔が電話かけてきてるかと
思って俺出ちゃったんだ」
「公衆電話？誰からだった？」
「立原Aって人」
「………………え！？」
「早くて1週間後ぐらいに連絡す…
「なんて言ってた！？」
「……いや、だから
早くて1週間後に連絡するって……。」
「……1週間後？」
「今手元に携帯がないからって……」
「あ、そうなんだ……」
.
4ヶ月
4ヶ月待った
この4ヶ月いつもだったら気にしないのに
たったの4ヶ月がすごく長く感じたのは
「…………よかったあああ」
.
ずっと連絡がこない君に
嫌われるのが怖かったから
.
「………………太輔………………」
「ん？」
「…………いや…………
時間大丈夫？今日打ち上げだろ？」
「……やっべ。
プロデューサーさんに連絡入れねーと」
「よかったな」
「え？」
「俺言ったろ？あの子はそんなことで
太輔を避けるような子じゃないって」
この時は知らなかった
ずっと一緒にやってきたのに
いつもだったらすぐ気づいてやれてたのに
自分の嬉しさだけを見てしまってて
気づいてやることができなかった
.
,
.
渉の悲しそうな目を
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 126人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よこざわ | 作成日時：2018年1月26日 23時
