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「ただいま戻りました…………ヒィィッ！！」
寮に帰ると玄関にたくさんの木彫り顔が並んでいた
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「あ、ごめんねAちゃん。それ川上さんの。
とうとうどこの部屋にも受け付けてもらえずに
イヤミ半分でここに置いてるらしいから
ほっといてあげて。」
「あ、そ、そうなんですか……。」
ほんと困るよねー
なんていいながら眉間にしわ寄せているのは
油絵専攻の里田先輩
___________ガチャッ
「Aちゃん帰ってきたの！？
おかえりAちゃん！
帰ってきてそうそう悪いんだがこの名作品達を
どうかAちゃんの部屋に
預かってもらうことはできないだろうか！？」
そういって自分の部屋から出てきたのは
彫刻学科の川上先輩
「川上さん。
前もそうやって部屋に入らなくなった作品
全部Aちゃんの部屋に
置いといてもらってたじゃない！
また迷惑かける気？」
「いえ、私は別に迷惑でわ……。」
「ほら里田！
Aちゃんもこういってくれてるんだ！
あ、また色塗って暇つぶしてもらっても
構わないからね！えっとね……
こいつがマンガに出てきそうなヒロインタイプで、こっちが……。」
「はぁ。Aちゃん。
嫌なら嫌って言わないとダメだよ。」
「いや、私別に嫌なわけでは……。」
「ただいまー！うわっ！怖っ何これ。
また川上先輩？里田先輩なんとかしてくださいよ
まじ怖いですって！」
大学から帰ってきた三津谷アコは
水墨画専攻で私と同じ年
「川上さんまたAちゃんに押し付けてるのよ？」
「またですか！？
Aそろそろ嫌なら嫌って言わないと。
また夢の中で追っかけられるよ？」
「ちょっとアコちゃん！
それ言わないって約束でしょ……。」
「Aちゃん……。嫌だったか？
私の作品……。そうだよね。
こんなにたくさん部屋に置いといたら
誰だって嫌になるよな……。」
「いえ！ほんとに大丈夫ですから！
……ほら！また色塗りしたいですし！」
「ほんとか！？
そういってもらえると思っていたよ！」
よかったよかった！
なんていいながら
部屋に戻った川上先輩の背中を見て
里田先輩とあこちゃんはため息をつく
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作者名：よこざわ | 作成日時：2018年1月26日 23時
