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｢あれ？太輔じゃん。今日オフじゃなかったの？｣
打ち合わせが結構長引いて、誰か誘って外で飲もうかなって思ってた所にちょうど渉と出くわした
｢あれ？渉仕事？引っ張りだこさんは忙しいですねえ(笑)｣
｢いやあ藤ヶ谷さんには敵いませんよ(笑)ちょうどよかった。飯行かね？｣
｢行くいく！この前の飲み屋行かね？｣
｢俺もそう言おうと思ってた(笑)｣
渉とはいつもこんな感じ
行きたいところや欲しい物、今なにを考えてるかとかがだいたいお互い分かってる
相談ものるし買い物にもよく行く良き親友
「え？太輔知らなかったの？あそこの公園3年前からあったよ。」
「まじで？渉行ったことあんの？」
「まあ東京の動物園とかはだいたい把握してるし、あそこは前によく行ってたしね。最近は忙してくて行けてないなぁ。」
「渉の口から忙しいって言葉が聞ける日がくるなんて、昔だったら考えられないな(笑)」
「ちょっとそれひどくね？(笑)」
「前はいつが仕事ですか？って聞いてたのに最近ではいつがオフですか？だもんな。すげーよほんとに。」
「太輔だって。今日急にドラマの仕事入ったんだろ？すげーじゃん主演なんて。俺は未知の世界だね。」
「お互い頑張らなくちゃな。自分のためにも、キスマイのためにも。」
「だな。そろそろ帰るか。明日撮影だし。」
「そうするか。すみませんお会計お願いします。」
「そういえば太輔、その公園にまだキリンいた？」
「え？あぁ。いたよ。頭上から視線感じて会釈したら無視された。」
「ぶはっ(笑)ほんと太輔のそういうところ好きだわ(笑)そっか、まだいるのか……。」
「あのキリン有名なの？」
「違うよ(笑)ちょっと思っただけ。」
渉がどこか懐かしそうな目をしたのを見逃さなかったけれど、根掘り葉掘り聞くのもガラじゃないし、そもそもいつも渉から話してくれるからなにも聞かなかった
「じゃあ俺こっちだから。明日な。」
「おう。またな。」
「……なあ太輔」
「ん？」
「いや……やっぱいいや。」
「なんだよ(笑)じゃあ明日な！」
「おう！」
帰り際の渉はまだ何か聞きたそうだったけど、きっと話したくなったら話すだろう
って思った自分を今は少し後悔している
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作者名：よこざわ | 作成日時：2018年1月26日 23時
