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side裕太
龍「涼太、ご飯食べよ?ほら、ここ……あ、僕が抱っこしてあげよっか」
ご飯の時間になってみんなが椅子に座っても、涼太はそれを少し離れたところからじっと見つめるだけ。
少し間を置いて、首を横に振る涼太。
龍友は少し落ち込んだような表情を見せたけれど、また笑顔で涼太に話しかける。
龍「ん、ごめんな。よし、ここおいで?」
それでもじっと見つめるだけの涼太。
裕「今日はオムライスやで。ケチャップで "りょうた" って書いてあるわ、見てみ?」
優しく声をかけ続けても、涼太は無反応。
双子はメンくんと亜嵐に任せて、涼太がリビングにいるときは違う部屋に行ってもらっている。
あの小さな双子に "人間不信" って言っても理解できないだろうしね。
だから、涼太は涼太のペースで動けるように。
どんなに時間がかかっても、涼太に合わせるって決めた。
裕「お腹すいてなかった?」
その問いかけには、小さく首を縦に振って頷いた。
裕「そっか、じゃあ無理やり押し付けたらあかんな」
龍「そやな、ごめんな」
そう言って龍友はさっさと涼太のオムライスにラップをかけて、ご飯は食べなくていいよの合図。
そして食卓からソファに移動する。
龍「涼太…」
裕「涼太、おいで?」
何度、名前を呼んでも。
涼太はじっと見つめる。
キュッと口を結び、じっと真っ直ぐに俺らを見つめる。
笑わなければ、口も開かない。
近寄ってくれないどころか、近づけば怯えられる。
触れられなくて。
こんなに近くにいるはずなのに、届かなくて。
涼太はしばらくして、やっぱり何も言わないままクルッと方向転換。
そしてトコトコと歩いてリビングを出て行った。
慌てて少し距離をおいて後を追うと、そのまま部屋に入って布団にくるまってしまった。
そうして、何も話さないままの日々が過ぎる。
俺らが作ったご飯は食べてくれなくて、買ってきたゼリーを渡せば、俺らから離れたところで静かに食べる。
そんな生活。
当たり前だけど、もともと細い涼太はどんどん痩せた。
このままでは倒れてしまうと思って、臣さんに連絡を入れた。
本当は俺ら家族の問題だから、俺らがなんとかしなきゃいけなかったのかもしれない。
だけどもう、どうすることもできなかった。
臣「りょーた。俺も怖い?」
臣さんはすぐに来てくれて、涼太に優しく話しかけていた。
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りさ - jdhchebbdnさん» いえいえ(*^-^*)続き楽しみにしてます(*^-^*) (2021年2月21日 3時) (レス) id: 4e892c9c3e (このIDを非表示/違反報告)
jdhchebbdn(プロフ) - りささん» ありがとうございます (2021年2月20日 22時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
jdhchebbdn(プロフ) - そらさん» いえいえです! (2021年2月20日 22時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - ジェネハウスがジェネハウス#1になってる(*^-^*)続き楽しみにしてます(*^-^*) (2021年2月20日 3時) (レス) id: 983b81c132 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 書いていただきありがとうございます! (2021年2月19日 23時) (レス) id: d773789e6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:jdhchebbdn | 作成日時:2021年2月1日 22時