○32 ページ33
side広臣
臣「りょーた、大丈夫だよ。こっち、来てくれない?」
ギュッと自分の服の裾を握りしめている涼太。
微かに震える手。
噛みしめる唇。
臣「怖いよね……でもね、臣くんは涼太のヒーローじゃなかった?しんどいのなくしたの、臣くんなんだよ?すごいでしょ」
優しく、ゆっくり。
臣「涼太のことが大好きなヒーローなんだよ?ヒーローに会えて嬉しい人!」
明るく、だけど、決して涼太から目を逸らさず。
涼「ぁ、い……」
そして、小さく声を出しながら手をあげる涼太。
臣「お、嬉しいなぁ。じゃあもっとヒーローの近くに来ても良いんだよ?」
龍友と裕太、それから隼を抱っこした亜嵐に玲於を抱っこしたメンディー。
そんなに家族総出で見守られたら恥ずかしいけれど、涼太のためだからね。
しばらく固まっていた涼太だけど、ゆっくりと俺の方に足を踏み出す。
ゆっくりな涼太を見守り、何も言わずにじっとその場で涼太を待つ。
涼「…ちぃー、ろぉー、」
臣「ふふっ、ヒーローね?笑」
涼「ちぃーろぉー……あっ、がとっ!」
臣「どういたしまして」
トコトコと歩いてきた涼太は、そのままペタッと俺の胸に顔を押しつけてくる。
俺の首に手を回して抱きつくこともなければ、それ以上の何かを言うわけでもない。
だけど、ペタッと引っ付いて離れない。
優しく、涼太がびっくりしないように。
ゆっくり涼太の背中に手を回して、優しくさする。
臣「涼太、大好きだよ。優しい涼太が好きだなぁ」
小さな涼太を抱き上げ、膝の上に座らせる。
臣「臣くんね、カレー美味しく作れるんだけど、食べてくれる?」
涼「んー、ん、」
俺に心を開いてくれたら大丈夫かと思ったけれど、ご飯は食べてくれなくて。
そんなとき、いちばんに動いたのは。
玲「りょたくん、あげゆ、」
隼「はぁとのも!おいちい、よっ?」
小さな双子が涼太に近寄り、さっきまで散々しゃぶってベタベタになってるクッキーを差し出す。
メ「ちょ、それは…」
メンディーが慌てて止めようとするけれど、それより先に。
涼「あいがとっ!」
涼太はスッと2人からクッキーを受け取り口に入れた。
そして。
玲「おみくんのっ、たべりゅ、?」
隼「しゃんぶんこっ、ちよっ?」
涼「んっ、」
隼の "さんぶんこ" に頷いた。
3人だもん、半分こじゃなくてさんぶんこ。
なかなか考えるじゃん。
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りさ - jdhchebbdnさん» いえいえ(*^-^*)続き楽しみにしてます(*^-^*) (2021年2月21日 3時) (レス) id: 4e892c9c3e (このIDを非表示/違反報告)
jdhchebbdn(プロフ) - りささん» ありがとうございます (2021年2月20日 22時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
jdhchebbdn(プロフ) - そらさん» いえいえです! (2021年2月20日 22時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - ジェネハウスがジェネハウス#1になってる(*^-^*)続き楽しみにしてます(*^-^*) (2021年2月20日 3時) (レス) id: 983b81c132 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 書いていただきありがとうございます! (2021年2月19日 23時) (レス) id: d773789e6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:jdhchebbdn | 作成日時:2021年2月1日 22時