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「そこまで言うならよォ……」
私から目線を逸らし、座り込んだ実弥。
首を傾げながらも、隣に腰掛けた。宇髄は「お前ら何やってんだ!」という顔でこっちを凝視している。
「俺は、一緒に勝てねェと許さねェぞ」
『……えっ?』
「Aが死にやがったら、俺は勝てねェ」
『……うん、それは私も。一緒に勝とう!』
先に立ち上がって、まだ座っている実弥に手を差し伸べる。「ハハッ」と乾いた笑いを零した後、実弥は私の手を取って立ち上がった。
同時に駆け出して、宇髄達に集中していて此方に無防備な無惨に斬り掛かる。
実弥は頸を狙い、私は足を狙って刀を振るう。
『__花の呼吸・肆ノ型 紅花衣!』
「__風の呼吸・弐ノ型 爪々・科戸風!」
ほんの少しでもいい。出来るだけ無惨に負傷を負わせる。私達に続いて、柱が続々と無惨に攻撃を仕掛け始めた。
私も、もう一度無惨に近づこうとした時、ワイヤレスイヤホンから歓喜の叫びと、伊黒の冷静な声が聞こえてきた。
「«上弦全体撃破!一般隊士も合流した!今すぐそちらに向かう!!»」
「『了解!!』」
現在時刻 AM4:30。
上弦全体撃破。その後、鬼殺隊全隊士合流。
隊士達の士気がどんどん上がる中、無惨の動きは鈍くなっていた。その様子にしのぶ姉さんは口角を上げる。無惨の表情は曇っていた。
「畳み掛けて下さい!今なら拘束できる!!」
現在時刻 AM4:35。
蟲柱作の毒が効果開始時刻に突入。
しのぶ姉さんの掛け声で、隊士達が無惨に突っ込んで行く。そして、斬りかかったら一度退避して再び無惨に突っ込む。
でも、無惨だって只者じゃない。大勢で向かって行ってるにも関わらず、時々負傷してしまう隊士がいる。
無惨の体力がなくなるなら、私達の体力だって減っていく。ほんの一時優勢になっても、直ぐに劣勢へと転換される。
「相変わらず馬鹿な連中だ。人間如きが、私に勝てる訳がないというのに」
『は?上弦は斬った。人数だって前世より上。これで勝てると思ってんのか?』
「まだ海里が居るだろうが」
『あ"ぁ"!!?』
海里の名前が出されて、思わず感情が昂った。無惨目掛けて降った刀が無惨の頸を掠める。もう一度、無惨に刃先を向けた。
「いける!」そう思った時、衝撃波が体育館全体に響く。思わず膝を付いてしまった。それでも何とか体を起こす。
でも意識が途絶えそうな中で目にしたのは、無惨の触手が私の心臓を貫こうとしている絶望的な場面だった。
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鬼滅からニーワークになってきとる... - きみさん、16話の夢主ちゃんが言っているセリフ?が「しのぶ姉さん」ではなく、「しのぶさん姉さん」なってますよ。(上から目線みたいですみません...) (2021年8月6日 21時) (レス) id: 91fa929b57 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - そっか、中間テスト…。私は五月末に終わったところです…。ちなみに高1だよ!七月になったらまた私はテストが…(絶対勉強さぼっちゃう人)頑張ってくださいね!! (2021年6月3日 0時) (レス) id: 279a2ef6a9 (このIDを非表示/違反報告)
S_t0606(プロフ) - 更新停止中?何故 なーぜぇ (2020年8月5日 21時) (レス) id: 3664f0360e (このIDを非表示/違反報告)
レーナ - 面白い小説を発見☆頑張ってくださいー (2020年7月9日 18時) (レス) id: c89295cbe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:二見 | 作成日時:2020年6月30日 6時