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「クッソ…!キリがねえ!」
現在時刻 AM3:55。
無惨の攻撃を避けながら叫ぶ。
俺達が与えた攻撃を、無惨が意図も簡単に治しやがるからだ。駆けつけた宇髄達も俺と同じように顔を顰めている。
今は、優勢でも劣勢でもない状況。それが逆に、苛立ちを募された。いや、Aが戻らねェから不安だったんだ。
「胡蝶!後どん位だ!」
「30分はかかります!」
「クソッ…!」
「何だ?薬が効き始める時間か?」
余裕の笑みを浮かべて無惨が言う。
俺に狙いが定まった隙に、時透が無惨に斬撃を入れた。思ったよりも深いそれに、無惨が喚く。その隙に全員で斬り掛かるが、衝撃波によって吹き飛ばされる。俺は粘って床にしがみついていると、無惨は衝撃波を止めて近付いてきた。
「貴様の女はどうした?」
「あ?」
「あの時、分かれただろう。あれから姿を見せていないようだが、もしや海里にやれたんじゃあるまいな」
「ッ海里…?」
無惨の言葉に胡蝶が反応する。それ以外の奴らは「まだ鬼がいたのか!」とでも言うように顔を歪めた。
だが、海里って奴は鬼じゃねえ。一般人に殺られる程、Aは弱くねえんだよ。
俺はずっと見てきたし、感じてきた。
彼奴がどれ程努力してんのか。だから、断言できる。
「Aが死ぬ訳ねぇんだよ!彼奴はテメェを斬るんだからなァ、鬼舞辻!!」
頸を狙って、刀を振るう。血液が垂れてくる前に後ろへ下がった。
再び斬り掛かる為に地面を強く踏むが、俺の足が前に出るより前にイヤホンが音を立てる。
『«鬼の元の肉片を手に入れた!この肉片を日光に当てたら鬼が消滅するから!直ぐ合流するね!»』
「否、お前はグラウンドに向かえ!」
『«……了解!!»』
上弦は今、待機していた班が抑えている。
そこにAを向かわせて、無惨の斬首を邪魔をする奴らを斬ってもらおうって魂胆だ。
俺の意図を汲み取ったらしいAは、窓を開けて下に飛び降りた。その証拠に、イヤホンからは窓が開く音の後に着地の音が聞こえる。
「……まさか貴様ら」
俺の言葉や表情で危険を感じ取ったのか、無惨は攻撃の威力や速度を上げてきた。
避け続ける間にどれだけ時間が過ぎたか分かんねェ。
分かんのは、俺は満身創痍で、無惨が俺に攻撃を仕掛け様としてるって事だけだ。
ある程度の痛みは覚悟した時、愛しい声と共に俺の体は風を浴びていた。顔を上げると見えたのは、眉を下げて笑うAの表情だった。
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鬼滅からニーワークになってきとる... - きみさん、16話の夢主ちゃんが言っているセリフ?が「しのぶ姉さん」ではなく、「しのぶさん姉さん」なってますよ。(上から目線みたいですみません...) (2021年8月6日 21時) (レス) id: 91fa929b57 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - そっか、中間テスト…。私は五月末に終わったところです…。ちなみに高1だよ!七月になったらまた私はテストが…(絶対勉強さぼっちゃう人)頑張ってくださいね!! (2021年6月3日 0時) (レス) id: 279a2ef6a9 (このIDを非表示/違反報告)
S_t0606(プロフ) - 更新停止中?何故 なーぜぇ (2020年8月5日 21時) (レス) id: 3664f0360e (このIDを非表示/違反報告)
レーナ - 面白い小説を発見☆頑張ってくださいー (2020年7月9日 18時) (レス) id: c89295cbe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:二見 | 作成日時:2020年6月30日 6時