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胡蝶side



『しのぶさん、すいませんでした。』

「……いえ。私が了承(・・)していましたからね」


まぁ正直、思っていたよりも凄く強かったんですけど。

そして笑みが怖かったですよ。作り笑いだったのでしょうか……

私もあんな風に見えているのであれば、何だか同類って感じがしますね。



『………しのぶさんはどうなんですか?』

「はい?」


下を向き、ボソッと口を動かしたAさん。

何だか弱った子犬みたいですね。

先程までの威勢は何処へやら……



『お館様が、最愛ですか…?』

「……私は、御館様を尊敬していますし、凄い方だと思っています。」

『そう、ですよね……』

「ですが、私の最愛は姉さんです。お館様ではありませんよ?」

『ふふっ、ありがとうございます。』


今のAさんには、嘘を吐いても無駄です。

本当の思いを話す事をAさんが求めているだろうから。

私はAさんに何があったのかを知っています。

Aさんが、姉さんの継子になった時に話しているのを聞いてしまいました。

その事は誰にも言っていませんが……

私は、知っているからこそこの対応を出来たんです。

それなのに、ありがとうございますと、お礼を言われてしまいましたね……



『保健室、行きましょうか。』

「いえ!大丈夫ですよ?」

『駄目ですよ!普通、踵落としは有り得ないんで。』


私の肩や首辺りを撫でながらそういうAさん。

あの頃と立場が逆になった気がしますね。

今では、身長も追い越されてしまいましたよ。

色々な意味で、元のように戻って欲しいものです。



「…………でしたら……交換条件、良いですか?」

『えっ?』


私は、貴方が大好きなんです。

姉さんやカナヲたちと同じくらいに、貴方が大好きなんですよ。

貴方も、失いたくないんです。

あの時と同じように、私と話して欲しいんです。

敬語だなんて、辞めて下さい。

先輩だなんて、辞めて下さい。

さんだなんて、辞めて下さい。



「私の事を、しのぶ姉さんと呼んで下さい。私の事を、本当の姉として扱って下さい。」


貴方の声で、しのぶさんと言われると、しっくりこないんですよ。

そして、何故だか悲しくなるんです。



「そうしてくれるのであれば、保健室でも何処へでも行きますよ」

『なら行きましょうか、しのぶ姉さん?』




胡蝶side 終

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鬼滅からニーワークになってきとる... - きみさん、16話の夢主ちゃんが言っているセリフ?が「しのぶ姉さん」ではなく、「しのぶさん姉さん」なってますよ。(上から目線みたいですみません...) (2021年8月6日 21時) (レス) id: 91fa929b57 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - そっか、中間テスト…。私は五月末に終わったところです…。ちなみに高1だよ!七月になったらまた私はテストが…(絶対勉強さぼっちゃう人)頑張ってくださいね!! (2021年6月3日 0時) (レス) id: 279a2ef6a9 (このIDを非表示/違反報告)
S_t0606(プロフ) - 更新停止中?何故 なーぜぇ (2020年8月5日 21時) (レス) id: 3664f0360e (このIDを非表示/違反報告)
レーナ - 面白い小説を発見☆頑張ってくださいー (2020年7月9日 18時) (レス) id: c89295cbe6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:二見 | 作成日時:2020年6月30日 6時

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