唯一見捨てられた少女【キメツ学園】

'12 ページ12

時透side



僕は次の時間が移動教室で、兄さんと移動していたところだった。

通った廊下には、奥まで飛ばされた冨岡先生に、前のめりになってゴホゴホ言ってる胡蝶先輩。

そして、フラフラしながら立ち上がる宇髄先生が居た。

その真ん中には、Aが殺気全開で立っていた。



『降参するしかないよな？』

「む!!?A何をしている！」


其処へ、煉獄先生が駆けつけた。他の生徒達も走ってくる。炭治郎に、たんぽぽ、猪も居た。



『テメェは何方だ？御館様が最愛か？貶した私に怒るか？そんな詰まらない事で謝れと言うのか？お前はどうだ？熱血歴史教師さんよォ！』


Aは片手で胸ぐらを掴んで、煉獄先生を持ち上げた。

それより、Aの台詞だ。


“御館様が最愛……”

“貶したAに怒る……”

“詰まらない事で謝れと言う……”

“お前はどうだ……”

“テメェは何方だ……”


少なくとも、宇髄さん達はAに怒ったんだ。そして謝れとも言った。御館様が最愛っていうのは、Aの考えだろうな。そして今、煉獄先生もそうなのかと聞いているんだ。



「うむ……俺もあのお館様への態度は許せん！だが、君の気持ちも分かる！」

『で？』

「そして何より！仲間を傷つけた事は許せん！それに対しては、怒らざるを得ない！」

『そうかそうか、そりゃそうだ。』


Aは、ハハハっと笑いながら、煉獄先生を放して、透かさず前蹴りを食らわせた。

相当怒っている様だった。これはやばい。

作戦(・・)と違うじゃん！



『人を守るのが仕事だったもんなー、そりゃ怒るよなぁ。今は無力なのになぁ。
何様のつもりなんだよ！仲間？訳も聞かず絞める奴が仲間ってか？お前も同類だよ。大声張り上げて生徒の信頼云々持っててさぁ、何がしたい？此方が正しいのに謝れってどういう事だ？弱者救済じゃねえのかよ。
縛られてんのか自ら縛ってんのか知らないけどなあ！何奴も此奴も、御館様御館様ウルッせぇんだよ。そんなにあの人が神々しいか？』


前より御館様への恨みが強くなっている。

辞めてよ！感情に流されるな！



『ってな訳で……煉獄。私はお前を潰したい。』


生徒の前で先生無し呼びは駄目だって！

潰したいって何？度を超えてるんだってば！



「何か、違う……」

「オイ！時透、しっかりやれよ！」


宇髄さんも役になりきって(・・・・・・・)！

'13→←'11

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す