十話 ページ10
「おい、A。そろそろ山に登るまわしをするぞ」
「......」
「A? どうしたんだ? んな変な顔をして」
「あ、ハイ。現実逃避に宇宙まで行ってました」
「うちゅう??」
「果てなき幸せのことです......」
合掌してこれからのことにお祈りを捧げ始めると、話しかけてくれたオジサン______もとい準一級呪術師は眉を下げ、終いには黙り込んでしまった。
これが前世のような日常の最中だったのなら、笑って「なにやってんだよ」と言われたかもしれない。
しかし、今はそんな笑いは皆無だ。
最後を覚悟した呪術師達が集まってきてるのだから。
どうも、別のところから能力持ってきちゃった転生者ことAです。
ちなみに名前が無いのは不便なので勝手に付けました。
ただしもう少しで命が散りそうだけど。
いやね、最初はここから離れて生き残ろうと思ったよ。
でも......唯一私を人間として扱ってくれたのは呪術師達だし、生活の手助けをしてくれたのも呪術師なんだよね。
だから少しでも役に立ちたいって思った。
呪術師達に紛れ込んで討伐戦に出ることは簡単だった。
悲しい事実だけど、一緒に倒してくれるのなら猫の手も借りたい状況なのだろう。
私を入れた両面宿儺討伐し隊は回復を除いて3人で構成されている。
数が多いと把握がしにくいし、何より討伐に来る呪術師は少ない存在だった。
私たちは頂上に近いところに穴を掘ってそこを拠点とした。
回復持ちは拠点で待機。前衛は近距離型の準一級呪術師。デバッファーの二級呪術師さんはサポートに。
私もサポートに回って、みんなを援護することになった。
自身が強化系っていうパワー型なのに、よくもまあ、サポートに入ったものだと思う。
と言っても理由はあった。
まず、紛れ込んだ一般人って知ってるのにいきなりアタッカーに入れる筈がない。
あとは、両面宿儺は初めてだし、呪術師の戦闘も知らない人だらけだから邪魔になるかもしれないとか。だから、援護から回って攻撃してくれって言われた。
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雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください楽しみにしてます (2022年8月30日 1時) (レス) @page18 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
七巳流 - この展開からどうなるんだぁー。楽しみすぎて夜しか眠れない。 (2022年8月28日 21時) (レス) @page16 id: 6bb8b6637d (このIDを非表示/違反報告)
七巳流 - 面白くて好きです!更新は体に気をつけてです! (2022年8月27日 19時) (レス) @page12 id: 6bb8b6637d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:_ | 作成日時:2022年8月24日 22時