星二つ、シーザーさん来る ページ4
学校へ行ってきた。
養女ということは言わずに、
承太郎の親戚として通っている。
承太郎は家と同じでハキハキした人気者らしい。
私も転校生ということで、ちやほやされた。
友達ができそうで嬉しい。
承太郎「ただいまー！」
貴女「、ただいま」
空条家に来てから、初“ただいま”である。
なんだか胸が暖かい。
ほわほわするな、なんて思っていたら。
貴女「…承太郎、これ誰の靴？」
承太郎「え？」
大きな靴が二つ。
玄関に揃えて置いてあった。
片方はお祖父ちゃんのとして…。
承太郎「ツェペリさんだ、ツェペリさんが来てる！
行こ、A！」
貴女「え、ぅん、」
え、副社長さん来てるの。
私 来たの一昨日なんだけどな。
次の休みって言ってたから、
もっと日が開くのかと。
取り敢えず手を掴まれ承太郎に連行され、
彼が障子を開けた。すぱーん！
部屋に居たのはお祖父ちゃんと、
シーザーさんであろう男の人。
髪は緩いオールバックで、上下白いスーツ。
淡い緑の瞳と合わせてか緑のネクタイ。
金髪のイケメンさんである。
…そして やっぱり、大きい(体格が)。
……何だろう、外国の方ってみんなそうなの？
ジョセフ「おかえり承太郎、A」
承太郎「ただいま、
お祖父ちゃん、ツェペリさん！」
貴女「…」
シーザー「…」
二人とも互いを見て黙ったまま。
ただツェペリさんは凄く…その、何ていうか。
優しすぎるぐらいの笑顔で…。
シーザー「どうしたんだいA、
こっちへおいで」
ぽんぽん、と自分の膝の上を
ツェペリさんが叩いて。
お祖父ちゃんをちらりと見ると頷かれたので、
歩みを進めて大人しくその上に乗った。
貴女「、わっ」
するりと腕が回ってきて、抱きしめられる。
な、…何だろ、この状況。
…ぁ、石けんのいい匂いがする。
貴女「…ぁ、の…ツェペリ、さん？」
シーザー「A」
柔らかかった声が、少し固くなった気がした。
…やっぱり、馴れ馴れしかった？
すぐ乗るより一度ぐらい断った方が、
シーザー「シーザーだ」
貴女「はい…？」
シーザー「ツェペリ呼びは止めてくれ。
シーザーでいい」
上を向けば、ツェペリさんに頬を撫でられた。
…し、シーザー呼びは、さすがに…。
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作者名：me* | 作成日時：2016年11月26日 23時
