【JOJO2.5】星を持たぬ子【シーザー】 (ページ17)

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星十、守りたいものをページ17

シーザー『…あぁ。

すまないなJOJO、頼んだぜ。

次の休暇にはそっちへ向かう』

…本当はすぐにでも駆けつけたいぐらいだ。

もう二言、三言交わして、電話を切った。

国際電話だということも忘れて、

随分と話し込んでしまったようだ。

秘書のロマーノが煩いだろうな。

シーザー『…』

ふ、と空を眺める。

きっと彼女も、同じ空を見ているのだろう。

イタリアとジャッポーネの空は、

一体どれだけ違うのだろうか。

そっちは晴れているだろうか。

…願わくばその声で、唇で、応えてはくれまいか。

シーザー『………いよいよおれも末期か。

…ハッ、今更だな』

彼女を囲えないのは残念だが、

生憎おれは彼女の家族ではないのだ。

おれはあくまで一人の男として、

彼女の一番になりたい。

…いや、なるのだ。

たとえどんな手を使ってでも。

ロマーノ『…失礼致します。

コーヒーをお持ち致しました』

シーザー『あぁ、いつもすまないね』

ひらり、と片手を上げ応えれば、

秘書は目を瞬(しばた)かせる。

ロマーノ『…副社長。

何か良いことでもお有りでしたか？』

シーザー『ん？

そんなに分かりやすいか？』

思わず自嘲した。

こんなことでは先生に叱られることだろう。

…餓鬼じゃああるまいし。

……ああ、でも。

シーザー『ふ、…なぁロマーノ。

小鳥の内に誰が最愛か、

刷り込んでおくのは大切だよな』

ロマーノ『はい？

…また何か企んでおいでで？』

シーザー『はは、

別に誰から批難されても構わないさ』

ーーだが、何十年と待ちわびた最愛なのだ。

感情に流されて取り零すなど、あってはならない。

戦いはあくまで冷静に、着実に勝ちに行く。

それを教えてくれたのは、他でもない、君だろう？

シーザー『…早く君に逢いたいよ、A』

幼い君は、ただ何も知らずに笑っていた。

守りたいものを、

(守れる強さはもう、手に入れた)

(今度は二度と間違えない)