〃 ページ12
貴女「っちょ、
シーザーさん、そっち池、」
シーザーさんは池に向いて真っすぐ、
歩みを止めることなく、
貴女「っだめ、落ちーーー」
…なかった。
もう一度言おう、落ちなかった。
わけがわからないよ。←
貴女「…あの、よく分からないんですけど。
取りあえず、
シーザーさんって魔法使いだったの？」
シーザー「それは景気のいい話だな。
でもコレは魔法じゃない。
“波紋”だ」
…はもん？
はも。はもはも。
シーザー「…まぁ、説明は難しいだろうから
もう少しAが大きくなったらな」
貴女「えー！」
シーザー「…A。
波紋(コレ)を使えるようになりたいか？」
庭の池の上に立ったまま、
シーザーさんがこっちを見る。
その瞳は何故か、
いつもより翳(かげ)って見えた。
…逆光だからかな？
貴女「…やりたい」
シーザー「…A、」
貴女「やりたい、です。
お願いします、シーザーさん」
気付いたら、そんな風に言葉を紡いでいた。
何だかシーザーさんが寂しそうで、
消えてしまいそうな、気がして。
シーザーさんは、薄っすらと微笑んだ。
シーザー「……おれは厳しいぞ」
貴女「シーザーさんが師匠なら多分平気！」
シーザー「そうだな…。
先に言っておいてなんだが、
やっぱりAには厳しくできる自信がないよ」
お祖父ちゃんが前に言ってた、
『シーザーはお前にはトロ甘い』の意味が
分かったような気がした。
完デレvs天然
(ねーぇ、ししょー)
((…役得だな、これは))
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作者名：me* | 作成日時：2016年11月26日 23時
